かものはし日記7月号
7月1日
暑い
クーラーが壊れているので仕事ができない
いや、できるんだがしたくない、といった方が正しい。
仕方がないので
友人が貸してくれた
キースティペットの新譜
MUJICIAN「COLOURS FULFILLED」を聞く
うねるような、あふれる生命観に心を打たれ
思わず絵を描きたくなってしまうが
我慢して描かない（笑）
だって暑いんだもん
映画「萌の朱雀」を借りて観る
すごくよくって
続けて2度観てしまう
ドキュメンタリーのような・・
気配
どこかいいんだかわからないけれどいい
音楽に限りなく近い
作品を発表するときに責任ということを思います
作品には必ず思いが込められ
どんな些細な作品でも必ず世界に対して影響力があります。
自分の作品がどんな影響を及ぼすか
今自分がどんな精神状態で作品を生みだしているか
ちゃんと自覚しつつ描いていきたい
ただ創造することの気持ちよさだけで作品をうみださないように
破壊的な思いは込めずに
より建設的に
より調和に向かおうとする気持ちを込めて描きたい
（なかなかいつもそういう気持ちになれないのだけれど・・）
作品を発表するというのは
歩きながら植物の種をばらまくようなもので
本人が歩き去ったあと
本人のしらないところで
勝手に芽を出してドンドン大きくなっていきます
それはすごく恐いことだし
恐いという気持ちを決して忘れちゃいけない、って思います
7月2日
待望の
待ちに待ったエアコンの設置
わーい！
でも大出力のエアコンを買った割には
部屋がギンギンに冷えない
ギンギンに冷えないといやなんだよ
日当たりがよすぎるんだよ、この部屋（東西南北全部に窓がある）・・しくしく
電気屋の兄ちゃんは乗りがよくっておもしろい人で
思わずCD-ROM画集を差し上げてしまう。
（ほんとは引越の時に一階の兄ちゃんにあげるはずだったのだが
友達呼んで騒ぐ無神経なやつなので却下、ふん）
隣のアパートの一階の一人暮らしのおじさんが
牛丸（近所にいる牛模様の年取った飼い猫）がひなたぼっこをしているところを
拉致して
自分の部屋に連れ込むところを目撃してしまう
にゃー、と力無い声で叫んでいたが・・
どうなる牛丸！
夕方
親戚の女の子に連れられて原宿に
ヨシカワゴエモンさんというオブジェ作家の方の展覧会を観に行く
センスが良くて品のいいオブジェがずらりと並び
ちょっとうらやましい
フォルムの流れがいいというか
ずいぶん刺激を受けました。
もし僕が映画監督だったら彼の作品をずらりと並べて
一風変わった幻想映画が撮りたいなあって思いました。
ホームページのアドレスは
http://www.bnn-net.or.jp/~n-khaos/GOEMON1.htm
牛丸がふらふらと大通りに出てきて車にひかれそうになるのを目撃して
あわてて抱きかかえて飼い主の家の前につれていく
なんかちょっと歳くってぼけているのかもしれない
7月3日
食を控え
ぐっすり寝て
働きすぎず
心配しすぎず
7月4日
訳が解らなくなるくらい暑いが
まだ夏は始まったばかり・・
80年代キングクリムゾンの中で一番好きな曲
three of a parfect pair
（演奏者、聴衆、音楽をそれぞれペアにして完璧な三角関係を創る、
なーんていうロバートフリップの御託なんてどうでもよくなるくらい好きな曲）
をリピートにして何度も何度もきく
そうやって夏を乗り切る
CDは何度聞いても同じだけれど
レコードはだんだんと音質が劣化していきスクラッチノイズの海の中に
曲が消えていく
何ともロマンチックで贅沢なメディアでしたね・・
イタリアがまたPK戦で負けて
4年前に決勝でバッジォがPKはずして負けて・・
PK戦はよくない
必ず誰かがはずすんだから
はずした人間はいったいどのくらい寝られない日が続くのか・・
観てらんないよ
サドンデスでやったほうがいい（その方がおもしろいしさ）
7月5日
アランパーカーの「コミットメント」
リドリースコットの初監督作品「デュエリスト（決闘者）」
をレンタル屋から借りてきて観る。
デュエリストには若きハーヴェイカイテルが敵役で出演している。
まだ眉間にしわが一本しかない（笑）
今は100本はあるぞ
いったいどんな人生を送ってきたらあんな難しい顔になるんだろう
しわのないハーヴェイはちょっと間抜け顔だ。
初監督ながら映像美はすでに完成されていて
彼独特の色使いも素敵だ
あんな感じで日本の時代劇を撮って欲しい。
アランパーカーはたまに雇われ監督っぽい
気の抜けた映画を撮るけれど
基本的に演出はすごく音楽的でかっこいいし
フェームといいコミットメントといい
何かを表現しようとするうだつの上がらない若者を描かせたらピカイチ
辺見えみりの「気分爽快ビール」のCMはなかなか素敵
歌もいいよね
ダンスも衣装も変でよし
ついつい半ダースまとめ買いに行ってしまった
（酒屋のつまんなそうな顔をした親父に辺見えみりのポスターくれとは
いえねーよな、さすがに・・）
暑さのせいとはいえ
広告代理店の策にはまるとは
おれも落ちたな（笑）
ずーっと絵描きを目指していた友人が
今は水族館の深海魚ショー？（多分イルカショーに近い）
で名をあげてすっかり立派になっていて
彼を祝福する夢を見ました。
いい夢でした・・
うれしかった。
7月6日
個体数が300を切るとほぼその種は絶滅してしまうらしい
ここ100年くらいでたくさんの動物や植物が絶滅していくなか
環境保護団体や生物学者があの手この手で
それを食い止めようとしているけれど
あんまり賛成できない。
今日のニュースでやっていたのだけれど
日本のいぬわしが絶滅寸前らしく
どっかとどっかのいぬわしを交配させてとかなんとか
あのね、好きでもない男と女を無理矢理交配させて子供を作らせるなんて
失礼なんじゃないの？
すべての生き物にも人間と同様愛があるんだよ
愛し合って家庭を作りセックスして子供を作る。
さらに絶滅寸前の生き物を絶滅させないよう調査するために
鑑札付けたり発信器埋め込んだり
挙げ句の果ては檻の中で飼ったり
あんた、自分がされたらいやだろ
ほんと失礼だな
僕がカモノハシなら
そんなことされたら足の毒爪で必ず抵抗する
絶滅寸前だからといって生き物は生物学者のコレクターズアイテムではない
彼らをほんとに愛しているのならば
何もせず見守るだけにしてやって欲しい
種全体として考えるのではなく
個体として
一つの生命体として自由にさせてあげて欲しい
個体の愛と自由を奪ってまで
種の保存なんていうのはただ単に人間のエゴだ
もう絶滅してしまうのならば
自由に絶滅させてあげて欲しい。
もう取り返しのつかないことをしてしまったのだから
人はただ黙ってみているだけ・・
そうすれば彼が生きている間は自由
それが彼らに対する礼儀でしょ
7月7日
明日の朝4時のワールドカップ準決勝に備えてもう寝る
多分起きられないと思うけれど・・
日本は合気道
韓国はテコンドー
中国はカンフー
2002年のワールドカップに備えて
アジアの国々はその国独特の格闘技を取り入れてサッカーに生かすべき
サッカーは格闘技なんだから
あとね
サッカーのセンターリング
センターリングというのは中心に向かうこと
曼陀羅的に解釈すれば
外へ流れ出る有機体のエネルギーを内側に向けエネルギーを集中させる
そうすれば
そこに首尾一貫した場のパターンが生まれ
オリエンテーリング（方位決定）がなされる。
それがゴールだ！
サッカーに東洋の宇宙観を取り入れ
独自の理論で新しいビジョンで戦うのだ！
風水でも何でも取り入れろ！
って冗談ですから・・真に受けないように。
7月8日
無理して早起きして観ていたのに
またしてもPK戦
僕の数少ない友人の間でも人気のアニメ
カウボーイ・ビパップ（僕はほとんど観たことがない）
僕の数少ない友人のひとりがそのサントラを貸してくれたので
聞いてみました。
かっこいいねー
ジョン・ゾーンのネイキッドシティばりの
ハードコアジャズパンク！
クレジットを見ればベースの渡辺等など
新宿・六本木のピットイン（ジャズ系ライブハウス）に常時出演している
強者もちらほら混じっているし
ハイテンションな曲ばかりでなく
しっとりとした雰囲気のある曲も素敵
曲作りも丁寧でオリジナリティがあるしメロディーもキャッチー
おしゃれになりましたね、日本のアニメも。
コンポーザーの菅野よう子さんを起用したプロデューサはマニアだね、きっと
新宿のピットインでライブやらないかな
7月10日
昨日今日とすっかり落ち込んでいて
困ってしまった。
他人から見ると僕はなにやら超然としていて
明るくて元気に見えるらしいが
（いーなー、いつも加藤は元気で・・とか言われる。）
実は水面下では結構ジタバタしているのだ。
たまにジタバタが立ち上がってきて
いても立ってもいられない状態になるのだが
幸か不幸かに
それほど長続きしない
要するに飽きっぽいのかもしれない
でも、もーちょっときっちり落ち込めば
それなりになんかつかんで帰ってこれるかもしれないのに
子供の頃からめんどくさがりやで
何をするのも嫌々やり始めて
始めちゃうとおもしろくて夢中になるのだけれど
先が見えるとすぐ飽きる。
こーいう性格は一生ついてまわって今更直せないのだから
うまく長所として立ち回れる環境を自分で作り出すしかないですね
7月11日
本屋で写真家の水口博也さんの
｛イルカ・クジラ大百科」を見つけて大喜びで買ってくる。
少々高い4800円
でも内容的にはすごく充実していて
僕のような流線型おたく？には打って付け！
いつか、架空の流線型生物図鑑を描きたい、と思っているので
良い資料にもなります。
イルカとかクジラって
お手軽ヒーリング業界の稼ぎ頭だけれど
やっぱり、でも、素敵な生き物ですよね
友人の漫画家と長電話をする。
「なんか寂しいね。」という話で盛り上がる。
（だんだんおっさん臭くなってきた・・）
7月12日
マリアナ海溝のような
深度1万メートルくらいあるところまで潜って（もちろん素潜り）
完全な闇と
静寂の世界
かすかな深海魚の光
その中で
じっと考え事をしたくなる時ってありません？
闇と光のはざまの赤い道
夜と昼の間の夕方の道
7月13日
すごい、フランス勝っちゃったよ！
鉄壁のディフェンス陣
（もう朝の4時に起きなくていいと思うとほっとする。やれやれ）
昨日今日と涼しくていいですね
軽井沢気分！
久々に遠くまで散歩に出かける。
汗もかかないし
風も気持ちいい
同じ温度でも冷房の人工的な涼しさと自然の涼しさでは
何かが違うんでしょうね
何が違うんでしょう？
昨日は
どのチャンネルをまわしても気持ち悪い顔ばっかり出てくるので
ほとんどテレビを観なかったのだが
今日は多少減っているだろうと思って
テレビのスイッチを入れてみれば
なにやら自民党が大敗したみたいで大騒ぎになっていて
やっぱり気持ち悪い顔ばかり・・
人間、顔ですよねー
骨格とか肉付きとかではなくて
その人の表情
表情に今までどう生きてきたかがすべて書いてありますよね。
たまに自分の顔を鏡で見て
いやーな顔になってないかチェックしたりしてます（笑）
7月15日
タイトルイラスト更新しました。（観てね）
すっかり涼しくなって
もう夏も終わり
おわりにするんだー！
という思いを込めて・・
7月16日
長年使っていたコンタクトレンズが
装着すると痛いので
新しいレンズを買おうと思い久々に渋谷に出ました。
コンタクトを装着するのは月に1,2回程度なので
（映画とか展覧会とかに行くときくらい・・）
安全性を考慮して使い捨てを購入して
その場で装着
とりあえず試しに映画でも観るかと
足は映画館へ・・
ゴジラ・・
評判が悪いせいか
夕方なのに上映館はけっこうがらがら
日本のゴジラ映画にもそれほど思い入れがないので
期待もしてなかったせいか
出来は可もなく不可もなく、怒りもせず・・でも
やはり切ないね
怪獣は・・
そうそう、このアメリカ版ゴジラは
僕にとってはずいぶんかわいく感じました。
最近訳あって近所の定食屋さんとかで
夕食を食べることが多いのですが
妙に定食屋のおばさんに気に入られてしまい
僕が行くとやたらと大盛りにしてくれて困ってしまいます。
〔一軒だけじゃないんだよ。
そんなに愛想を振りまいているつもりはないんだけれど・・）
嬉しいんだけれど
僕はそんなに食が太くないので
頼みのしない大盛りを全部平らげるのは一苦労
おかげで
ちょっとおなかの調子が悪いのです。
だからなるべく顔を覚えられないように
同じ店に行かずに
いろんな店で食べるようにしてます。
やれやれ
7月17日
涼しいのは良いのだけれど
洗濯物が乾かないな・・
涼しくてよく眠れる。
毎日二度寝・・
散髪屋で
そこの奥さんに髭をあたってもらったら
深剃りするんで血だらけになってしまった。
おいおい
やけに痛いと思ったんだ・・
車窓から
都市のビル群を眺めて、ふと思う
きっと
これと同じ光景が頭の中にも起こっていて
言語とか理論とかで出来た人工のビル群が心の中を支配していて
身動きがとれなくなっているのかなって
7月18日
押入にしまってあった
ドラムセット（もちろんサイレントドラム）を引っぱり出して組み立てる。
昼間は階下の兄ちゃんは仕事でいないので大丈夫。
半年ぶりに叩いたら
ちゃんとリズムが取れないのでちょっと焦ってしまった。
ほんとは
アフリカのヒーリングドラムをやりたいのだけれど・・
ちゃんと師匠について
チューニングから習って
正しいリズムを教わって・・
自分の出す音に対しての影響力ということも・・
そこから
絵を描くということを考え直していきたい。
7月20日
久々に秋葉原へ・・
メモリを買いに行きました。
いやんなるくらい安くなった。
パソコンショップはダンボールが積んであるだけだったり
綺麗に製品を並べてあるだけなので
眺めていてもおもしろくないんだけれど
ラジオデパートやパーツ街は
ごちゃごちゃといろんな部品が並べてあって
歩いているだけでわくわくしちゃう。
生まれて初めてふぐを食う
あっさりしているんですね、ふぐって・・
暑苦しい顔をしているくせに（すまん）
7月24日
ちょっと実家に帰っていて
今朝帰ってきました。
（相変わらずパワフルな母親に連敗中・・）
夕方近所の区民プールに行って泳いで
ちょっと減量計画（体が重い）
久しぶりに泳いだのだけれど
50メートル泳いだだけでぜいぜい・・
でも水の中はとても気持ちがいい
7月25日
毎日毎日スコールのように断続的に雨が降ってます。
一生懸命何かを冷やしているような
そんな夏ですね。
（まだまだ冷やし足りないみたいです。）
音楽というのは
見える世界と見えない世界の架け橋
良い音楽を聞くとほんとにそう思う。
デパートで
小さい男の子がマネキンの胸を揉んで
おかーさんに「なにやっているの！」ってぶん殴られていて
思わず笑ってしまったが
男はおっぱいには勝てない・・とか
勝ってどうする・・とか
対おっぱい100連敗中・・とか
いろいろ頭をよぎって複雑な気分になる。
7月26日
プールで泳ぎすぎてへとへと
日が暮れてくると
照明の光が水の中に射し込んできて
きらきらと
泳ぎながら思わず見とれてしまう美しさ・・
7月27日
いそいそとプールに出かけていったら今日は休み・・
あれま
平泳ぎとクロール
肩こりにはクロールが効果的
7月28日
アートギャラリーに一点追加しました。
「夏の想い出2」
タイトルイラストのバージョン違い・・
友人が我が心の師匠メヴィウスのシールをくれた。
とてもうれしい。
プールに浸かりながら見る夕焼けは最高
夏は雲の形がはっきりしていて
いろいろ想像できるので楽しいですね！
「あ、あれは竜に似ている」とかね・・
あのメヴィウスも
私の絵の先生は「雲」だ！と言っておられました。
ありがたや、ありがたや
7月29日
xファイル第4シーズンの10巻目の第二話
「スモールポテト」はちょっとお薦め
これだけコメディです。