かものはし日記
5月号

5月1日

一年半前に描いた絵を描き足してます。
一年半前の絵を今見て
その絵のあまりの生命観の希薄さに愕然として
描き足そうと思い立ったわけです。
その絵のテーマは「死」です。
当時精神状態が死に対する安易なあこがれがあったのかもしれません。
生命力
めいっぱい生きようとしてこその「死」であるのに・・
相変わらずおめでたくて困っちゃいます。
昔描いた絵を観てみるという行為は
とても辛いのだけれど
うっとうしいのだけれど
大切な行為だと思いました。

5月2日

生きるって事は理由のない情熱だよなー
「存在とは、」とか哲学的理由を考えているときは
心が弱っている証拠なんだよ。
絵を描く理由なんて考え始めたら
描けなくなるし・・
女の子好きになるのに理由なんかないし
なんだかしらんけど大好きーって生きたいよな。
と弟(こいつも絵描き)と電話で小一時間程話をしました。

5月5日

連休中は家の中でじっと仕事をしていても
何となく外の雰囲気が日曜日なので
毎日新聞で今日の日曜ロードショーはなんだろうと確認してしまう。

5月6日

今日のあまりの暑さに打ち合わせのあと
渋谷で降りて
スポーツサンダルを買って
その場で靴下脱いではきかえて帰りました。
うーん、開放感
やっぱ裸足はいいね。

5月8日

ルグインの挿し絵を描いていたら
ふと
三宅一生デザインのプリーツのような服と
安藤忠男のコンクリート打ちっぱなしのようなお城がある
装飾性のまったくない
ものすごくシンプルなデザインのファンタジー映画が観たいなあと
思ってしまいました。

ラヴェルのボレロを久しぶりに聴く機会があって
この作品がどんな歴史的背景から生み出されたか全く知らないけれど
多分
締め切り前日にラヴェルはワンフレーズしか思いつかず
もういいや、このフレーズ何回も繰り返して曲作っちゃおう
とか思って作ったら画期的な作品ができたのではないか
と推測されます。(笑)
往々にして人間追い込まれるととんでもない方向に逃げようとして
逃げ方がよかった例なのではないかと・・
逃げ方も大事

5月9日

松居慶子さん(ピアニスト)の新作CDを聴く
ニューエイジ風ジャズなのだけれど
決してインチキ臭くなく
確かな重力と遥かな無重力を感じさせる好作品。
CDなのだけれど
CDロムにもなっていてパソコンで
ムービーが見られるみたいです。
(仕事場のパワーブックでは見れなかった。)

5月11日

電気グルーヴの「シャングリラ」聴きながら仕事をする。
乗りがよいのではかどる。

5月12日

今日は久々に嬉しいことがあって
一人で部屋で踊ってます。

5月13日

蚊取り線香は英語でモスキートコイルというらしい。

現在仕事場に出入りしている野良猫は2匹

5月18日

今日は天気が良かったので直接仕事場には行かないで
公園でひなたぼっこをしたりして
さぼってました。
光合成ができたらいいなと思う今日この頃
(だって働かなくていいじゃんか)

5月19日

体がだるいので竹刀を振る。

調子に乗って「るろうに剣心」の中で一番お気に入りのキャラ、斉藤一先生の
得意技「牙突零式」の練習もする。

5月22日
鼻毛に白髪があるのを指摘された事を思い出して
4日遅れで愕然とするが
すぐに立ち直る。

仕事場で後藤がコーンフレークを食べているのを見かけて
ちょっとテレビに気を取られている隙に
ごま塩の振りかけをめいっぱいかけてやったのだが
全然気が付かないでばくばく食べていたので、がっかりする。
(これだから天然ぼけはいやだ。)

5月24日

スターウォーズの先行オールナイトに行く。
いまいち盛り上がらなかった。
新しくCGで足した部分がなぜかむなしい。
何もいじらない方がよかったような・・

5月27日

仕事場の目の前に小学校があって
今ブラスバンドの練習をやっている。
来月あたり運動会があるらしい。(なぜ6月に運動会をやるんだ?)
今年のブラバンのアレンジはいまひとつで
多分音楽の先生が替わってしまわれたのではないかと推測される。
(勝手な思いこみ・・)
2年前のブラバンはアレンジ、テクニックとも小学生とは思えない出来で
感動して泣きながら彼らの練習を聴いていたのだが・・
(多分たまたまリズム感のいい子がその学年に集中したに違いない。)

やっと寝違えた首の痛みが取れてきた。
一度寝違えると一週間は痛い。

そろそろ更新をしようと思ってます。
ここ2週間くらいで材料をまとめて6月半ばにはアップできればいいな。

5月28日
久々に散髪屋さんに行く。
そしたら複雑な事情で散髪屋さんがこの場所で仕事ができなくなり
世田谷区から20万光年遠くの葛飾区にいってしまうらしい。
複雑な事情らしい
詳しく聞くのも悪いのでだまっていたら
散髪屋さんも黙っていた。
少し涙ぐんでいた。
複雑な理由なので僕には分からない愚痴を少しこぼしていた。
いつもはくだらないバカ話をしながら髪を切ってくれたのだけれど
今日は重苦しい時間が流れた。
かれこれ10年近く僕の髪を扱ってくれた方なので
寂しい。
(20代前半のロン毛から現在のボーズ刈りまで・・)
さすがに葛飾区まで髪を切りにはいけない。
念入りに頭を洗ってくれたので少々痛かった。
念入りに髭を剃ってくれたのでけっこう痛かった。

5月29日

銀座にデヴィットリンチの新作映画「ロストハイウエイ」の試写を見に行く。(リンチのホームページに応募したら試写会の券が当たった。)
うーん
最近どんどん訳が分からなくなっていく
悪夢を編集なしで見せられた感じ
今日はうなされるかもしれない。
でも相変わらずリンチ特有のギャグはさすが・・
音楽はいいです。
彼の作品は基本的に愛が勝つというパターンなので
どんなひどい描写があっても最後に救われるのですけど
今回は・・

楽しみにしていた分ちょっとがっかり。

5月30日

夢にでてくるほどのインパクトはなかったな。
ツインピークスを観たときは
巨人が胸の上に立っていて目が覚めたのだけれど・・
ロストハイウエイは意識の闇の部分を刺激するまでには至らなかったような

スタジオボイスのロストハイウエイの評論を読み返してみる。
「まだ観てないけど傑作」とか書いてある。おいおい
滝本誠先生の評論大好きだけれど・・

今日昼間たまたまテレビを観ていたら
故松田優作主演の「探偵物語」をやっていた。
懐かしく、また観られたのが嬉しい。

5月31日

もう明日は6月か

人の心の闇の部分
光と影
本当に世界は二項対立しているのか
対立が物語を生むのだろうが
なんだかそれもインチキ臭い
この世界は考えすぎているような気がする。
もっと感情を大切に
理性をないがしろに・・
今まで使っていた理性ってあんまり役に立たないんだよなー。


back