かものはし日記 2012年11月号


11月1日

お知らせいろいろ

グループ展「猫あれこれ」展

11月9〜11日、16日〜18日

東急線大倉山にあるギャラリィトウキョウジョウにて
豆本作家の谷中あずき堂さん名義で
豆本とミニキャンバス二点

  

おにぎり猫 ビフォーアフター(各3000円) ミニキャンバス リキテックスガッシュ

グループ展「素敵に食卓」展

11月13日〜18日

おなじみのギャラリーMALLEにて
東日本大震災 復興支援チャリティです
愛のないこの世界
偽善だけが唯一の救いです
偽善も精錬させれば愛と錯覚するくらいになります(笑)
よろしくお願いします

おにぎり猫(おにぎりを肴に酒を呑む)

日本人は米を食え!という民族主義的メッセージがとても強い作品(笑)

(木製パネル リキテックスガッシュ 10000円)

「五大五感」ライブ 新宿経王寺

11月25日

音がサラウンドでぐるぐる回るそうです
よろしければ是非いらしてくださいませ

 

11月2日

感情移入型文化

日本シリーズで誤審が問題になっていて
ネット上では、ファン同士の罵りあいがすごいです
どちらが勝とうが
多分お互いの人生にはほとんど影響がないのに
どうしてそんなに感情移入できるのか、ちょっと不思議です
基本的に今の文化は
スポーツに限らずドラマや小説やその他なんでも
感情移入しなければ
面白がれないという形になってます
確かに
他人をネタに自分のプライドを上げたり下げたりするのは
面白いとは思うけれど
ちょっとそういうのに疲れてきません?

ただ研ぎ澄まされた技術を持つ選手たちのパフォーマンスに
うっとりする

そういう文化もアリだと思います

11月3日

ようこそニルヴァーナへ

足立区千住にある東京中央卸市場(ものすごく近所)で
ミュージサーカスなるイベントに
いつもお世話になっている経王寺のご住職が声明で参加するというので
行ってみました
ミュージサーカスとはジョン・ケージが提唱したアイディアで
広い空間の中でいろんなパフォーマーが
勝手なことをする
勝手なことをしているのだけれど
なんとなく同時に聞いていると
共鳴し合っているようにも聞こえる
という趣旨です(多分)
サンバやちんどん屋
ジャズバンドにプログレバンド
シタールにダンスパフォーマンス
オペラにハワイアン
ありとあらゆる音楽がありました
ご住職の声明は
遠くから聞こえてくるプログレバンドのメロディと
いい感じに合っていて、ちょっとうっとり
いろんな音楽がいろんな所から聞こえてきて
とても幸せでした
死んだらこういう所に行くんだろうなあ
という気分

自分が本当に好きなことをやれば
どんなに勝手なことをしても
世界とぴったり調和する

ジョン・ケージはそういうことを
伝えたかったのかも

http://www.youtube.com/watch?v=AoUOWBnNwJ0

11月4日

121103.JPG - 18,624BYTES

john zorn / vision in blacklight

画家で詩人でもあるウィリアム・ブレイクから
触発された作品
ジャケ絵もブレイク
左の若干上目づかいの天使が気になりますね

とても聞きやすい優しい音楽です

11月5日

おとといのジョン・ケージのミュージサーカスを思い出しながら
お絵かき

ミュージサーカスは
僕にとってかなり衝撃的なイベントでした
素敵な未来というのは
ジョブズが描くような
硬質でスタイリッシュな世界ではなく
もっとぐだぐたな、ミュージサーカスのような感じなのかな
中心を持たず
責任者も居なけりゃ
決断を迫られることもなく
自立した個人が勝手なことをしているんだけど
そこそこ繋がっている
スタイリッシュな未来は、権威者がいて
そこに絶対的な価値観があり
それ以外を「排除」していく作業ですから
絵的にはかっこはいいけど
冷たい感じがします

何も切り離さない
抵抗しない
なあなあでいいよ、うん

11月6日

パターン

落ち込んだり
怒りを感じたり
恐怖を感じたり
ネガティブな感情が一番顕著ですが
あらゆる感情にはそれが起きるときのパターンがあります

その感情が起きたとき
「ああ、またこのパターンか」って気がつくことは
けっこう大事なことだと思います

ふと我に返って
パターンに陥っている自分を見つめる

多分このパターンを
仏教ではカルマと呼んでいるんだと思うし
心理学では性格ということだし
占いだと運命かな
絵描き的には
「スタイル」と言います(笑)
何度も同じパターンの絵をかけば
スタイルになるし
それが売れれば才能になる
でもそれは所詮パターンだし
自由ではないのかもしれない

昔誰かに
才能で仕事をしちゃいかんといわれたことがありますが
そういうことかな

11月7日

朝起きたら寝違えたようで
胸と背中と首が痛い
絵を描こうと思ったら腕が上がらず辛い
自転車に乗ったら首が回らず後方確認が出来ない
とはいえ
今夜の0時から始まる酉の市には行くのだ

11月8日

酉の市

酉の市は
台東区千束一体が屋台に埋め尽くされて
酉の市が始まる午前零時から次の日(9日)の早朝まで
街全体が居酒屋になってしまうという雰囲気が素敵なので
そこで出される食べ物の「味」は二の次なのですが
とはいえ
焼きそばもお好み焼きもたこ焼きも
おでんもモツ煮もいまいちだし高い
ベビーカステラは論外
お勧めは
シャービン(中国風おやき)
五平餅
もんじゃ焼きを包んであげたもの
かな

ラーメンバーガーはアヴァンギャルド過ぎて
口の中でどう楽しんでいいのかわからない

11月9日

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brian eno / lux

イーノ先生久々のアンビエント・ミュージック
音的には
ハロルド・バッドとの共作「鏡面界」に近いかな

人生といったら大げさだけど
日々の生活のための
サウンドトラックです

11月10日

大倉山のギャラリー
トウキョウジョウのオープニングパーティに参加
自転車で行きました
自宅から30qちょっと
自転車に乗った感があるいい感じの距離ですね
途中自転車ナビが不穏な動きをして
ちょっと道に迷いました
右に曲がれと音声では言っているのに
地図表示は直進
地図帳を出してチェック
やっぱり紙の地図が一番わかりやすいし安心しちゃうアナログな俺

今夜はギャラリーにお泊まり

11月11日

早朝
ギャラリートウキョウジョウを出発
五反田の1号線の長い坂を
自転車でひいひい言いながら登っていたら
歩道を掃いていたおばあちゃんに
「あとちょっとですよ」
と励まされました

素敵な笑顔でした
恐縮です

慶応大学前の歩道では朝市
道路も空いているし
早朝ポタリングはなかなか楽しいです

11月12日

人生お任せパック

そっと暮らしているだけなのに
なぜか最近
いろいろな勧誘の電話が多い
保険がどーの
年金がこーの
光通信からADSLに戻すのはいかが、とか・・
たとえば
未来の不安に怯えて
びくびく生きるのはやめて
人生をあるがままに生きる
「人生お任せパック」にプラン変更されてはいかがでしょう?
なんて電話が来ると楽しいんだけどね

11月13日

おばあちゃんと猫

http://whitemanekicat.p1.bindsite.jp/nitinitikorekouniti.html

http://whitemanekicat.p1.bindsite.jp/hananoyouni.html

素敵です

11月14日

年末は
シャーロック・ホームズの舞台を
現代に置き換えたテレビドラマ「シャーロック」
をまとめてみようと思っています
友人のコアなミステリファンを
「そうきたか」とうならせる作品らしく
「そうきたか」を体験したいがために
今、原作を再読中です
少年少女版を読んだのが小学生
文庫本のちゃんとした原作を読んだのが中学生だから
ものすごく久々
(2006年に光文社から新訳版が出てます)
エキセントリックなホームズとワトソンのやりとりがとても楽しい

夜は、ギャラリーMalleにて「ラベル展」のオープニングパーティに参加
(現在開催中です)
宮城の名物と
一ノ蔵のしぼりたてのお酒がおいしい
 絵も売れました
ありがとうございます!

11月15日

反戦運動には参加しないけれど
平和運動なら参加します、と
かつてマザーテレサはおっしゃったそうです
反○○とすると
○○に意識がフォーカスされがちです
反原発は、やっぱり原発が主役
そうじゃなくて
再生可能エネルギー運動とか
そういう言い方をした方がいいようです
言葉は、呪文ですから
エネルギーがあります
使い方が大事

11月16日

岩波から敬愛する
社会学者の見田宗介(真木悠介)の著作全集が出ていて
久々に名著「気流鳴る音」を読み返しました
カスタネダの難解な呪術師ドンファンシリーズを
優しく素敵に読み解いています

おまえは人を好いたり好かれたりすることに気を使いすぎる
「知者」はただ好きになる、それだけだ

ドンファン(ヤキ・インディアンのシャーマン)の言葉

世界は実はシンプルです
ただ好きになる、っていうのがいいよね
今読み返すと
ドンファンの言葉は
お釈迦様のお言葉とほとんど変らないような気がします
世界を複雑にして
問題を無限に生み出しているのは
我々の自意識です

自意識では世界は変えられない

日本の政治もさらに複雑さが増してきました
どうなっちゃうんだろうというより
このままずっとこんな感じなんだろうなあ・・

11月17日

巻上公一さんのボイス・パフォーマンス講座
2回目
今回も楽しく奇声を発してきました

その後は神楽坂へ
12歩展(ちょうちん展12回目)のオープニング・パーティ
ひさびさに観た友人たちの絵の進化に驚きました

継続は力というか愛ですね

12月18日

猫あれこれ展、エンディングパーティに参加
参加者は20代から60才まで
年齢差はあってもほとんど違和感なし
いつもながらエイジレスな雰囲気が素敵

最近
宴会の後、電車の中で
「今日の加藤は、面白かっただろうか」と
一人反省会をしてます(笑)
絵描きとはいえ
(パフォーマーではないけれど)
芸人ですから
そこそこ面白くないといやなんだね

という話を宴会でしたせいか
パーティの主催者より
「今日の加藤さんも面白かったですよ。」
というメールをいただきました
お気遣い恐縮です(笑)

12月19日

おじさんは初対面の相手には最初
何をしている人?(仕事の事ね)
と聞くそうですが
若者は
何を聴いているの?(音楽の事ね)
と聞くそうです
おじさんは、組織やら立場みたいな事が重要で
わかものは感覚が大事ということみたいですが
仕事の話って
違う職種ならばお互いに質問し合えば
話が広がりやすいけれど
音楽の話って
そのジャンルを聴いていなかったら
ほぼそこで話が終わってしまうような
ドンピシャだったら仲良しになれるけど
感性が合わなかったらさようなら、みたいな
そういう意図をちょっと感じます

まあ、両方聞きましょう、ということです

本格的に寒くなってきました
油断していると
ホットコーヒーがアイスコーヒーになってしまうくらい

今日は友人からいただいた自家製味噌でお味噌汁を作りました
ダシは、焼きアゴ(トビウオ)の出汁パックを使用
ほんのり甘みのある味噌でした
自家製っていいな〜

11月20日

クラウド・コンピューティング

今読み返している社会学者の真木先生の本や
クリシュナムルティ、カスタネダ、野口整体、仏教などの思想を総合すると
どうやら、命というモノは
私「の」命ではなく
私「が」命のようです
「命」は私の所有物ではなく
私が命ということ
ひとりひとりに自分だけの命があるのではなく
我々個人の肉体はパソコンやスマートフォンの端末みたいなもので
大本はひとつの命
それは、まるで今はやりの
クラウド・コンピューティングみたいな感じかな
命がひとつなのだから
私とあなたは同じ存在で
あなたに何かあれば
あなたと同じ存在である私は
なんの躊躇もなくあなたに手をさしのべる
(手をケガしたら、なんの迷いもなく絆創膏をはるように)
それを「愛」というのだそうです
インターネットはなんとなく
霊的な世界を無意識に模倣しているのでは?と
思っていたけれど
ついに真理にたどり着いたのかもしれない(笑)
とはいえ
「命がひとつ」という実感が自分の中になければ
それは結局観念でしかないんだけど

二の酉

今夜で酉の市も終わり
去年より屋台が減り気味でちと寂しい
かなりの数の熊手の売れ残りも気になる
売れ残った熊手はどうするんだ
と思いつつ
日本酒を片手に
いつもの五平餅
もんじゃコロッケ、シャービン、富士宮焼きそば
などをはしご

酉の市が終われば今年もあとちょっと

11月21日

凶暴な農耕民族

ネットのニュースを見ていたら
ヒトの知性のピークは六千年前で
狩猟民だった頃
知性が高く感情も安定していたそうです
獲物を求めて移動するので
必要最低限のモノしか持たない身軽な人たち
その後人類は農耕民になり
所有、蓄財を覚え、それゆえ格差社会になって
この土地もおらのものだ!とか言いながら
戦争もおっぱじめ
どんどん凶暴化
知性も劣化
インターネットの導入で
さらに劣化(笑)

SF映画の世界では
クリンゴン星人とかプレデターとか
狩猟民から農耕民族を経ずそのまま進化した宇宙人は
たいてい凶暴に描かれていましたが
そろそろ逆にした方がいいかもね

11月22日

印刷所にポスターとチラシのデザインを入稿
グラフィックデザインの仕事は
いつもながら
文字校正に間違いがないかとても緊張します
名前の間違いなどがあったら大変ですから
(昔、イベントの開催日の日付を間違えて1年後にしたことがあります(苦)

何度もチェックして
深呼吸をして
印刷所のサーバーにアップロード

何度チェックしても
気がつかないところは絶対気がつかないのが悲しい
なぜなんでしょう?

11月23日

お正月に借りてじっくり観ようと思っていた「シャーロック」
(シャーロックホームズの設定を現代に移したイギリスBBCのテレビドラマ)
つい
近所のレンタル屋さんの全作品80円均一セールにつられて
全巻借りてしまった

脚本演出キャスティング演技、どれもすばらしい
うっとりです

11月24日

経王寺で「五大五感」ライブ
巻上公一さんのテルミンとボイス
ご住職の声明
上畑正和さんのピアノ
鈴木生子さんのクラリネット
立岩潤三さんのパーカッションが
サラウンドでぐるぐる回っていました
お寺プログレッシブジャズという感じでしょうか

ライブ中に地震
最初サラウンド演出か、もしくは
その前に作家の田口ランディさんが
シャーマンのお話をされていたので
ポルダーガイスト現象かと思っちゃった

ライブの後は、打ち上げに参加
いつものように酔っ払ってしまったので
お寺にお泊まり

11月25日

映画「裏切りのサーカス」を観る
スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの小説「ティンカー・セイラー・ソルジャー・スパイ」の映画化
美しい映像
豪華で渋い俳優たち
(特にゲイリー・オールドマン、シャーロックのベネディクト・カンバーバッチも出てます)
アクション無し
渋すぎる演出と脚本で
1度観ただけだとよくわからない(苦)
何度が観て細かい伏線をチェックしないといけないみたい
音楽もすばらしい(作曲アルベルト・イグレシアス)

11月26日

空気は読まない

人の気持ちがわかる人になりなさい
とは言うけれど
人の気持ちがわかると言うことは
人の自尊心の高さがわかると言うこと
他人の優越感と劣等感に敏感に反応できると言うことは
自分もそうやって自尊心を上げ下げして生きてきたということです

それがそんなに素敵なことなのか
疲れちゃうよね

世の中
もっと無邪気でもいいんじゃないの(笑)

11月27日

何かにはまるのは
ツイン・ピークス以来20数年ぶり

イギリスBBC制作の現代版シャーロック・ホームズ
「シャーロック」にすっかりはまってしまいました(笑)
原作の小説は、ワトソン博士の手記という形をとっていますが
「シャーロック」は
より現代的に
ホームズの活躍はワトソンのブログで発表という設定

探してみれば
BBC公式のワトソンのブログがある
日本語訳もある
いたれりつくせり

シーズン3の制作も予定されているそうで楽しみです

主演のカンバーバッチ(シャーロック・ホームズ)は
新作スタートレックで悪役で出演するそうです
それも楽しみ
悪役顔だよね〜この方は(笑)

11月28日

久々にメカを描く

連載中のSF小説
世代宇宙船がようやく目的地に着いたのだが
地上に降り立つためのシャトルがないので
恒星間飛行が終わり、使われなくなったエンジンなど
宇宙船の一部を解体して
衛星軌道上で
スペースシャトルを一台作り上げるという設定が好き

まわりにあるものでなんとかする
子供の頃、そういうふうに躾けられました(笑)

11月29日

大根飯を作る

たまにスーパーでも
葉っぱ付の大根が売っているんですよね
そういうときは
大根の葉っぱをゆでて
おひたしにしたり、大根飯にしたり
とてもおいしい
なんで葉っぱに値がつかないのか
もったいないことです

11月30日

今日で11月も終わり
今年もまだ一ヶ月もあるじゃないか
と言ってみる