かものはし日記 2010年7月号


7月3日

旅から帰ってきました

7月4日

旅から帰ってきたら
パソコンが壊れていました
仕方がないので
マザーボードの交換のため秋葉原へ

途中
近所のかっぱ橋本通りで
七夕祭りが開催されていました

もう今年も半分終わってしまったのですね
早いな〜

7月5日

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silvia iriondo / tierra que anda

アルゼンチンのフォルクローレ歌手
(ネオ・プログレッシブ・フォルクローレというカテゴリーらしい)
世界で一番したたかな(というか汚い)サッカーをやる国とは思えない
内的でやさしい音楽
中南米音楽の奥深さを感じます

ワールドカップを見て思うことは
やっぱりサッカーは「観る音楽(ジャズ)」であるということ
人が思考を鎮め、感覚で動くとき
音楽になる

7月6日

小学生の文学賞があるらしい

「12歳の文学賞」

作文ではなく小説を書くというのがいいですね
作文はほんとのことを書かなくてはいけませんが
小説は「うそ」を書いてもいい
「うそ」を書くというのは
学校では教育上問題があるので
授業では扱いづらいですもんね
もっとも
僕は作文にうそばかり書いていましたが(笑)

ラジオで内容が一部朗読され
小学生とは思えない感性と文章力に驚きました
表現に年齢は関係ないのかもしれません
小学生で作家になってもいいし
90歳で作家になってもいい

「12歳の文学」(小学館)

単行本になっているようです
ちょっと読んでみたい

7月7日

七夕です

願い事は
「いろんな目に遇いたい」
でしょうか(笑)
いいことも悪いことも
いろんな目に遭う
何も無いのが一番辛い

7月8日

サッカーという官能

サッカーワールドカップ
ここまで来ると
勝敗よりも両チームの絡み具合がいい感じになってきます
とても官能的です
強いチーム同士のあの手この手の
過激な愛撫の応酬にうっとりです
(じゃないな、「あの足この足」だな(笑)

朝顔市

入谷の朝顔市に行ってきました
最近の梅雨は
ゲリラ豪雨など凶暴化していて
朝顔が似合うような季節感ではなくなってしまいましたが
それなりに盛況のようです
缶ビールを呑みながらぶらぶら
途中
ラーメンバーガーという屋台に心惹かれましたが
ものすごい行列なので断念しました
ハンバーガーのパンの部分が揚げた(焼いた?)ラーメン
ハンバーグの部分がチャーシューなのかな
いろいろ考えるな〜日本人て
近場の焼き鳥屋で
サワーを飲んで焼き鳥を食べて帰宅
明日は
浅草寺でほおずき市? 

7月9日

そろそろ選挙

まあどこに入れたところで
絵かきのようなどうでもいい職業の人たちには
あまり関係ないといえば身も蓋もないか
この世界に
普遍的な法則など存在しないし
何も決定されていない
そんな優柔不断な世界の中で
人間だけがブレずに生きていくなんて無理
ブレない人を選ぶより
状況によってコロコロと変わる人を選んだほうがいいんじゃないの
と言ったら
これまた身も蓋もない
ブルース・リーの名言
「don't think , feel !」
(考えるな、感じろ)
この言葉は、ある状況において
物事を熟考して決定するのではなく
自然とそういうふうになってしまう
ということです
愛ある行動とは、思考を通さない
そんなことが出来る人が
政治家なんかやっていない
と言ったらさらに身も蓋もないね

うーむ、困ったな

7月10日

向島展打ち合わせ

墨田区向島あたりで「下町でアート」第二回目です
スカイツリーもだいぶ成長してきました
期間は9月13日〜26日

詳しくはここ

出展者を15日まで募集しております
クリエイターまたはそれに準ずることをしている方で
参加したい方は、ぜひ
大人の文化祭みたいなものです
ジャズのライブやうどんの会もあります

7月11日

社会主義国家の選挙

候補者も政党もいっぱいあるけれど
一見選択肢はいっぱいあるけれど
実は何も選べない
選んでいるようでなにも選んでいない

7月12日

ワールドカップが終わりました

一番印象に残ったのは
ウルグアイのゴール阻止ハンド
ウルグアイの監督は
とっさに出てしまったのだと擁護してたけれど
ガーナにしてみればたまったもんじゃない
手を使ってはいけないスポーツをずっとやっていて
とっさに手が出ちゃうというのはどういうことなんでしょう
いつも審判に見えないように手を使う練習をしていたとしか思えません
僕はとっさに
足で絵を描いたりはしませんよ(笑)
サッカーは
スポーツではないのです
フェアプレーが評価されない球技はサッカーだけ
ずるいし、醜悪だし、けれど時折目のさめるような美しさを見せる
(最終的に一番美しいパス回しをする国が優勝したのはいいラストシーンです)
まるでフェリーニの映画の様

そういう下世話な世界がひとつくらいあってもいいよね

選挙も終わりました

もうちょっとさ
長い目で見てあげましょうよ
いきなりダメ出しっていうのはどうなんだろうな〜
民主主義というのは
国民が育てていくものだと思うけど

7月13日

海底を低空飛行?する鯨のシーンがいちばんのお気に入り

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オーシャンズ

映像は素晴らしいのだけど
文明文化批判(特にアジア圏の)が腹立たしい海洋ドキュメンタリー映画
生態がよくわかっていないメガマウス(口のでかいサメ)が泳いでいる映像など
初めて観るものもたくさんあるし
これってCG?と思う自分が悲しくなるような驚愕映像に
うっとり

地球は人間がいなけりゃ美しいんだよ
この映画のおフランス人監督のおめーに言われなくてもわかっているさ
自然はすばらしい、人間はおろか
というステレオタイプな批判がどうにも好きになれない

だめだめな人間もおいらは好き

7月14日

ジェイムズ・P・ホーガン逝く

「星を継ぐ者」など
日本人にファンの多いハードSFの巨匠
空想科学少年だった子供の頃の僕は熱狂しました
科学って素晴らしい
科学者ってみんな良心の人ばかり
と思わせてくれた人
ワクワクする展開
心地良い読後感
今思えば、ずいぶん楽観的だなあって思いますけど
科学を目指す少年少女は
読むべき本なのでは?

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異次元の存在を提唱して今最先端の理論物理学者であるリサ・ランドールさん
アインシュタイン以来の画期的な理論だそうですが
なんかもうSFより想像しにくい世界です
(こんなの絵に描けないぞ(笑)
彼女、優しげだし情熱的だしとても美人
「探究心、理解力、友情」が彼女のモットーだそうです
ホーガンの小説に出てきそうな科学者ですよね
角度によっては
ジョディ・フォスターにも似てなくもない
SF映画「コンタクト」でジョディが演じた科学者とも
なんとなくイメージが重なります

世界のしくみを知りたい
という欲望は
自分は一体何者なのだ
という問いかけと重なります

なんなんでしょ
ほんと 

7月15日

ラーメンコントでびーぎょ

浅草のちょっと奥、いわゆる裏浅草
千束商店街にあるラーメンコント(東MAXの実家です)で
びーぎょ(ビールと餃子)しました
ここは餃子を大根おろしとからしでいただきます
キャベツの甘味がものすごく出ている絶品餃子
浅草芸人御用達のお店です
欽ちゃん二郎さんの写真も飾ってあります
ほんとにフツーのラーメン屋さんの佇まいなので
敷居が低くて入りやすいのです
夜中の3時までやっていますよ

おすすめ

7月16日

突然夜中の2時に目が覚めて
(丑三つ時)
その後すぐ
勝手にパソコンが立ち上がりました
ええ、どういうこと?
ラーメンコントで、東八郎の霊でも拾ってきたのか・・(笑)
とりあえずメールのチェックだけして
また寝ました
(後藤からつまらんメールが来ていただけ)

「借りぐらしのアリエッティ」

(また小娘が主人公なの?、たまにはおっさんが主人公のアニメが観たい)
僕の周りの人は自由業者が多いせいか
僕も含めてみんな
「その日暮らしのアリエッティ」
だと思い込んでいるようです
切ないのお〜(笑)

live from hand to mouth(その日暮らしをする)

僕が子供の頃、入試英語の重要慣用句でしたが
なんで未来のある子どもがこんな慣用句を覚えなくちゃいけないんだ
と思いながら暗記した覚えがあります

実際そうなっちゃったじゃん(笑)

7月17日

資料を探しに自転車で
図書館めぐり
さすがに日中は日差しが強い
なるべくビルや高速道路の影を選んで走ってます
夕方近く
上野公園の
大きな樹の下で
フォルクローレの路上パフォーマンスを聞きながら
うたた寝

夜は
ビールと紅しょうがの天ぷらを持って
谷中庵へ

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龍馬ビール(ただの流行りもの)

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東郷平八郎元帥ビール
(元フィンランド製、今は日本製
小国日本がロシアのバルチック艦隊を撃破したことに勇気づけられて
フィンランドはロシアからの独立を決意したそうです
そんな由来でうまれたビール)

今日はキャラもので攻めて見ました(笑)

7月18日

友人のグループ展
東中野へ
「いろんないきもの展2」
ビタミンTee
みなさん着々と作品がかわいくなっていきますが
かわいすぎないのがいい

友人のアコーディオンライブ
本郷 求道会館へ
音のヌケがとても気持よかった
音楽は響きです
特にソロは。
ひとりでやりとげるという彼女の潔さと覚悟が清清と音になっていました

今日も炎天下を
自転車でいっぱい走りました
すっかり黒いおじさんになってしまった(苦)

7月19日

ややこしくなる前にやめる

絵はどこでやめるかが大事
と、よく言われます
描いて描いて描きまくったら
限りはないし
経験上
描けば描くほど状況は悪化していきます
やめる勇気というよりは
諦めること
諦めるとは、明らかに極めるということです
シンプルと複雑さの境界線
そのあたりに「何か」があるような気がします

7月20日

久々1

短時間で瑞泉という泡盛を二人で空けてしまいました
それほどお酒に強い方ではないわたくしは
久々に人事不省になりました
どうやって帰ったのだろう
よく帰ってこれたな
朝(21日)、目が覚めたら
玄関で全裸で寝てました(笑)
帰宅後、暑くて風呂に入ったようです
ウコンの缶も落ちてました
とりあえずやるべきことはやったようだし
忘れ物もないし
なんだかんだで結構しっかりしてたのかも
記憶にないけど

久々2

久々に原画で納品しました
最近はほとんどデータをメール納品なので
なんだかうれしい
ハンズに行って、トレペを買って
原画が汚れないように、トレペをかぶせる作業がなつかしい
秋に絵本がでます
とある方の原作で
カラーイラストを10点ほど描きました

7月21日

水の節目

ウコンのおかげで二日酔いもなし
近所のプールに泳ぎに行きました
午前中の市民プールはすいています
おじさんしかいません
去年から
苦手なクロールの練習をしているのですが
40肩でなかなかつらいです
腕をまわすと左肩に痛みが走ります
ま、でも
水の中にいると気持ちが落ち着きますね
体が伸びきったとき
すーっと体が水の節目のようなところに入り込んだような感覚になります
水にも節目があるのです
多分

7月22日

銀座ギャラリースコット

若い友人のイラストレータ 久永文恵さんのグループ展を
観に行きました
「こすもす」というタイトルのイラストが
とても素敵でした
がんばっているな〜すごいすごい
20代だものね
ひたすら描くだけだ!

例によって
自転車で銀座までいったのですが
いや〜暑い
どこが熱いって、目が熱い
アスファルトの照り返しの熱で
目が熱くて開けていられない!

7月23日

蓮を描くという仕事がきたので
早朝、上野の不忍池に蓮を見に行きました

は泥より出でて泥に染まらず」

花も素敵ですが、大きな葉も好きです

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3日連続プールに行ったら
40肩の具合が良くなってきました
体は痛くても使わないといかんね

7月24日

暑い暑いといったところで
暑さが和らぐわけではなく
昼間の仕事部屋はもうクーラーなんか効かないし
ほとんど温室状態
何かが育ちそうだよ(笑)
今年も
早朝仕事・自転車・水泳・ビール
という大人のトライアスロン
で夏を満喫してます

今日は上野で鰻も食べたぜ
絶倫だぜ(うそ)

7月25日

テーマについて

グループ展やアンソロジー本などに参加すると
慣習的に必ず「テーマ」というものが設定されます
これこれというテーマに沿って絵を描きましょう、という感じ
確かに
テーマという言語的な縛りがないと
全体がとっちらかった雰囲気になってしまうとか
相手に伝わりにくいとか
描き手がイメージを広げにくいとか
いろいろ仕方のない理由はあります
自分の個展でも
やっぱりそれなりにテーマを決めがちです

テーマがないと絵がかけないのか?

いわゆる名画というものの中には
「寝ている女」
「座っている男」
など、そんなの言われなくてもわかるよ的ないいかげんなタイトルが少なからずあります
こういう作品は
多分テーマなどないのです
ただ絵があるだけだから、作品にタイトルを付けようがない
でもタイトルがないと整理するとき困るのでとりあえずてきとーに付けておく
テーマがないというのは
言語的でないということです
これらは
感覚が先にあって
それを具体化していく
言語から派生したイメージではなく
感覚的な想像力によって生まれた作品なのです
だから普遍的だし
時代の荒波にも耐えていけるのです

どうも僕は言語的想像力に依存しすぎているような
気がします

人生もテーマはないし意味もない
ということを
今一度じっくり考えてみる・・
あ、考えちゃだめなのね(笑)

7月26日

ずれ

数学者であり京都大学名誉教授の
森敦さんが亡くなりました
残念です

人生は、時代や社会というシステムと個人のずれの中にある
ずれがあるから自由が生まれる

というお言葉が印象的でした
「ずれ」が大事です
自分を全部システムに合わせる必要はありません

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jim o'rourke / all kind of people love burt bacharach

アバンギャルド系ミュージシャン、ジム・オルーク プロデュースの
バート・バカラックのカバー集
一曲目
細野晴臣のclose to youのかわいさにガツンときます
(いいな〜細野さんの歌声)
坂田明と暴力温泉芸者の中原昌也の妙な掛け合い
相対性理論のやくしまるえつこちゃん
カヒミ・カリィねーさん
ソニック・ユースのサーストン・ムーアなどなど
11人のヴォーカリストたちが
かわいくアヴァンギャルドに歌っております
誰でも聞けば全曲知っているはず
昔のヒット曲はみんなチャーミングだよな〜

いとおしい

7月27日

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soft machine / Live at Henie Onstad Art Centre 1971

ソフトマシーン1971年のライブ
発掘音源
ノルウェーの小規模で先鋭的なジャズレーベルsmalltown superjazzから
時期はちょうどソフトマシーン「4」が出たあたり
叙情的なサイケロックからハードコアなジャズロックへの移行期で
叙情派のロバート・ワイアット(ドラム)が居づらい雰囲気の中での演奏
(中村俊輔状態)
この後彼は脱退するのだけれど
いろいろな思いを抱えながらも
メンバーと
そして、風や空や水の全ての自然と拍子を合わせるようなドラミングは
感動的です

夜のプール

昼間のプール
子供ってどうして絶滅しないんだろう
という気持ちでいっぱいになるので(笑)
プールは夜行くことにしました
夜のプールは
大人たちが修行僧のように黙々と
50メートルプールを行ったり来たり
大人って素敵
今度生まれ変わるときは
いきなり大人で生まれたい

7月28日

泡盛 瑞泉 御酒(うさき)をいただく

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幻の泡盛
「東京大学」印です

戦争で焼失してしまった「瑞泉菌」が
東大の分子細胞生物学研究所で
見つかって
(戦前に東大の発酵学のエライ人が沖縄の酒造所を回って
黒麹菌を東京に持ち帰っていたそうです)
それを元に復活せた泡盛がこれです

美味しいです
香りもすばらしい

7月29日

体調不良

いきなり気温が下がっても困るな
体は、猛暑に慣れているのだ

霊の演出力

ワンセグのちっちゃい画面で
テレビの心霊ビデオ特集を見ていたら
霊体の出現の仕方のすごさに感動してしまいました(笑)
なんてすばらしい演出力
監視カメラに写った霊体なんて
カメラを意識しているとしか思えない
見事なカット割り
(というか、これは作り物でしょ)

ま、でも
恐ろしいのはやはり生きている人間
霊がいそうな場所にどかどかとカメラを持ち込んで
ぎゃーぎゃー騒ぐ
どっちが悪霊なんだかわかりゃしない

7月30日

愛のかたち
こーゆうことが大事なんだよね

http://www.nicovideo.jp/watch/sm11480547

ラジオでいいお話をしていました

頑張らなくてもいいけれど
あきらめないでね

いい言葉です

7月31日

午後
ネパール・フェスティバル
日比谷公園
屋台で食べた
モモというネパールの餃子が絶品です
おすすめです
明日まで

夜は隅田川の花火大会

ビルとビルの隙間に
花火の絶景ポイントを見つけ出し
道路にゴザをしいて
呑んだくれる
下町ならではの光景が大好き
粋ですねえ