かものはし日記 2007年8月号


8月1日

9月11日から9月16日
ギャラリーMalleのグループ展に参加します
(Malleは先月個展をさせていただいたギャラリーです)

テーマは植物

植物は地球の生命系の源です
地球最初の木、アーキオプテリス
アーキオプテリスの森ができることで
いままで強い生き物しかいなかった地球に
弱くて小さい生き物が生きていけるようになりました
森が弱きものを守り
生命の多様性を育んできたのです

「三千世界 一度に開く 梅の花」

大本教と言う宗教の2代目教祖 出口なおさんの言葉です
三千世界は仏教用語で全世界という意味

変化は同時に起こる
または
同時に起こらなければ意味がない
ということでしょうか
それを多分庭先の梅の花が咲いたことで感じているところがすばらしい

動物もかわいいけど
植物もいい
というわけで植物を描きます

8月2日

朝青龍は、まあいいや
首になったら
プロレスみたいに別団体を作ればいいじゃん(無責任言動)

問題は
彼と一緒にモンゴルでサッカーをしていた中田だ
日本周辺でうろうろしてないで
テストを受けてJリーグに復帰して
実力で代表に復帰してよ

おれはそれが見たい

サッカーが大好きなんでしょ?

8月3日

作詞家の阿久悠さんが亡くなりました
宇宙戦艦ヤマトのオープニング曲など
われわれオタクの第一世代もとてもお世話になりました
(ヤマトのエンディングの「真っ赤なスカーフ」が大好き)
阿久悠の代表作といえば、都はるみの「北の宿から」
「北の宿から」といえば
今は亡きシャンソン歌手の淡谷のり子
演歌は貧乏くさいから大嫌いだと、演歌撲滅運動家としても名高いお方でした(笑)
彼女の名言は以下のとおり

「なんで、着てはもらえぬセーターを
編まなきゃいけないの?」

昭和的「未練」の時代は終わったのかもしれません

これからは
はつらつと生きましょう

8月4日

戦没者慰霊法要・朗読劇「ヒロシマ」を観に
新宿、経王寺へ
チラシとポスターの絵を描かせていただいた公演なので
とても楽しみにしていました

予想以上に素敵な出来栄えで
重いテーマの割には
なぜか
本堂のどこからかすがすがしい空気が
流れてきます
これは出演者の皆さんが原爆というテーマにおいて
冷静に
(感情を込めずにという意味ではなく)
演じられていたからなのかもしれません
ただあったことを先入観なく観て
誰も憎まず
良し悪しを判断せず
体験者の気持ちを受けとめる
慰霊とは気持ちを察してあげることなのですね

霊も人間も一緒

8月5日

結局
欲しいと思っているものは
「安心」ではなく
はつらつと「不安」でい続けられる
しなやかでいいかげんな精神(笑)

不安であることを恐れていたら
世界は死んでしまうし
逆に
ひとたび安心を手にしたら
やっぱり世界は死んでしまう

8月6日

おいしい銀たらの粕漬けを頂きました
僕が一番好きな食べ物は
粕漬けかもしれない、と再認識
やはり
粕漬けを買ってくるだけではなく
自宅で
粕漬けつくりにも挑戦しないとね

8月7日

問題発言

NHKのお天気コーナーで
気象予報士のおにいさんが
江ノ島の海水浴場の映像を見ながら一言

「たくさん人がいますね〜
そんなに急いで海水浴場に行かなくても大丈夫ですよ

ずーっと暑いですから!」

ずーっと、って言うな!
こーゆうことをいうから受信料を払ってもらえないのさ(笑)

8月8日

日本には
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)

原水爆禁止日本協議会(原水協)
という核廃絶を目指す二つの団体があって
不思議なことに
別々に原水爆禁止世界大会を行っています
実はこの原水協と原水禁
平和に対する理念の違いで
お互い仲が悪いそうです

些細な対立が
結局は戦争を引き起こす火種になるということ
これを理解しようとせずに平和運動があるのなら
あまり意味はないのかもしれません

「平和」という観念への依存が恐怖を生み
それが対立につながるということ
ぼくらはもっと注意深く
自分の中のさまざまな対立を観察して
いろんなことに気が付く必要がありますね

8月9日

朝青龍報道はもういいです
協会の決定は下されたわけだし
あとは彼の問題でしょ
マスコミには引き際という概念がないのでしょうか

絵にはありますよ
どこでやめるか
これは結構問題なのです

8月10日

ここは金星ですか?

金星といえば膨大な量の二酸化炭素の温室効果のおかげで
地表温度が400度ととても暖かい星です
地球もあとちょっと(笑)

8月11日

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christian wallumrod ensemble / the zoo is far

どんなに暑くても
朝は熱いコーヒーで目覚め
シカゴ派の熱くて凶暴なフリージャズを聞き
(ペーター・ブロッツマン、ケン・バンダーマークなど)
あつあつの食べ物を食べるのが
夏ばてを乗り切る理想的生活なのですが
つい
朝はマンゴーヨーグルトで体を冷やし
最近お気に入りのノルウェーの透明で涼しげなジャズを聞きながら
ざるラーメンをお昼に
という生活になりがちです

最近のお気に入りのノルウェー・ジャズから一枚
涼しげな現代音楽寄りのジャズ
楽曲も親しみやすく退屈しません
むやみに音数が多くないのは寡黙でシャイなノルウェー人の特質でしょうか
ノルウェーの男たちは
妻や恋人に、めったに「愛している」といわないそうです(笑)

8月12日

パンク・ロッカーが
音楽性の違いでけんかになり、相手のギタリストに殴られて
警察に被害届を出しちゃうなんて
いかがなものでしょうか

パンクなのに・・
パンクとはすべてのシステムに対して自由で
さらに自立していることでしょ
二人の問題を警察(システム)にゆだねちゃうなんて
かっこ悪い

8月13日

なんでも
ネットで有名なイギリスの占星術師が
星にお願いをするということは
自分のハイヤーセルフ(超自我)にお願いをすることなんだよ、とかなんとかという
本を出したそうです
(人から聞いた話なのでなんともいえないのですが)
ハイヤーセルフとは
あらゆる観念から解き放たれたときに出てくる
本当の自分自身だそうですが
お願いしている時点で、観念にとらわれているわけでしょ
矛盾しているじゃん(笑)

スピリチュアリズムもひとつの観念に過ぎない
ということ

夢や理想や体系、観念、過去の経験にとらわれず
何の先入観のない目でちゃんと現実を見つめて
世界を愛していくことが一番大切だと思います
(シンプルだけど難しい)

それがパンクだ!(笑)

8月14日

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築地本願寺のバリアフリーワークショップの
次のイラストが出来上がりました
次のテーマは
風、火、空気、水という4つのグループで
集団ダンスが繰り広げられるそうです

観客参加型になるそうで
観にいった人はいきなり踊らされるかもしれません

8月15日

パソコン総合誌アスキーが
IT起業向け雑誌にリニューアルして一年
個人的には
文化としてとらえていたパソコンが
金儲けのマシンになってしまったようで
とても残念でしたが
実は、久々にムックとして
パーソナルコンピュータ総合誌アスキーが一度限り復活するそうです
(復刻ではありませんので、いつものとおりの本が出るそうです
月間アスキー増刊「2008年パソコン大予想」というタイトル)
創刊号から読んでいて
20数年イラストを描いていた身としてはちょっと感動です
もちろん今回も4コマ漫画を描かせていただきます

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「水耕栽培」

来月のグループ展のタイトルは
「えびす植物園」になりました
参加者は20人ほど
だれが参加するのかさっぱりわかりませんが
そのうちわかってくるでしょう(笑)
一人2点までということです

8月16日

クーラーのないキッチンにいると
あまりの暑さに
熱中症になりそうなので
しかたがないからビールを飲みながら料理

しかたがないんだよ(笑)

8月17日

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La Nina /今日も熊谷は暑かった

ラニーニャはスペイン語で女の子という意味です
絶賛発売中!

1.地球温暖化京都会議は熊谷で
2.地球金星化計画(ヴィーナス・フォーミング)
3.男の日傘
4.F1はバイオエタノールで走らせろ
5.地球温暖化の原因は二酸化炭素じゃなくて、太陽の磁気変動なんだってさ(ほんとか?)
6.北極熊の悲しみ
7.熊谷のぬるいビール
8.人に厳しく、地球にやさしく

8月18日

奇跡のように涼しい一日でした
今日は初めての人、久しぶりの人、なじみの人、いろいろな人に会いました
(宴会もあったし)
今日はさまざまな気持ちが僕の体の中を通り抜けていきました
かかえているものがどんなものでも
結果より過程を大切にすれば
人生は意外とちょろいものです(笑)

楽しくいきましょう

8月19日

後藤の書のグループ展を観に
表参道へ
グループ展全体もパワーアップしていたし
後藤の書「雲山」もすばらしかった
(僕には山がくじらに雲がいるかに見えた)
その後
ヴォイス・パフォーマーの北原久仁香さんの朗読を聞きに
自由が丘へ
和楽器をバックに江戸川乱歩の「人間椅子」の朗読
実にエロティックでありました
以前聞いた荒俣宏でも思ったけれど
彼女はこの手の題材を料理するのが実にうまい

ああ、おくさま!

8月20日

昨日の後藤のグループ展の時
友人に
実は7月の個展前に
開催のプレッシャーが5月頃あって
二日ほど寝込んだことがあったんだよ
グループ展というのは文化祭みたいで楽しいけれど
個展は責任が全部自分にくるから結構緊張するんだよね
と言ったら
そんなことがあるはずがない、ただの風邪だ、と言い切られました
たまに僕を誤解している人がいますね
僕は見た目よりかなり気が弱いのです
取り扱いにはご注意を(笑)

8月21日

東京芸大美術館
「金刀比羅宮書院の美」を観にいきました

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円山応挙の虎が目当てでした
とてもかわいい
当時日本では観ることが出来なかった虎を
虎の敷物と猫を参考にしながら描いたそうです
だから虎というよりは幻獣っぽい
そのリアリティのなさが魅力です

伊藤若冲の「花丸図」は圧巻でした
完璧なるボタニカル・アート
この自然への激しいまなざしは
どこから来るのでしょう

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ちなみに平日の午前中なのに
ものすごく混んでいます
ゆっくり観たい人は夏休みが終わってからがいいかも

8月22日

今日は初さんま
8月のさんまは油がのりすぎていないので
あっさり味

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「灯台の花」

孤独を癒せるのは孤独だけ
そういうのを「溌剌」ともいう。

8月23日

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「百合肌」

8月24日

友人のお誘いで
上野の科学博物館「シアター360」に行って参りました
球形のスクリーンの真中に橋がかけられ
そこに立つと360度全方位に映像が映し出されます
(足元は透明ガラス)
映像が動いているのですが
まるで自分が動いているような錯覚にとらわれ
なぜか加速度まで感じたりして
圧巻の映像体験でした
その後、閉館ぎりぎりまで
真空管のコンピュータや日本初のファックス
人工衛星、糸川博士のペンシルロケットなどの展示物に興奮
すっかり気分は小学生

帰りは突然の豪雨で
土砂降りの中、自転車でずぶぬれになって帰ってきました
これも小学生みたい
(上野の駐輪場は水没しました(笑)

子供のような気分の一日でした

8月25日

大野隆司さんの個展のパーティ
僕は普段自炊をしているときはほとんど肉を食べないのですが
こういうときは、差し入れにとんかつとか体に悪そうなものをいっぱい買っていって
ビールを飲みながら
ばくばくたべます(笑)

健康的な生活をしていると
人間は確実に弱ってきます
たまに暴飲暴食をして、身体に負荷をかけるのも大事なんだよね(笑)

といいつつ
夏ばてであんまり食欲がなかったりして

8月26日

音楽家の友人と喫茶店、千駄木倶楽部で
アイスカフェオレを飲みながら、ぼそぼそとお話
(ここのアイスカフェオレは絶品だよ)
音楽と絵は
とても近い表現形式だと思います
(絵描きの友人のほとんどは、重度の音楽ジャンキーですし
マイルス・デイビスなど絵を描く音楽家も結構います)
おたがいくよくよ悩んでいて
ちっとも溌剌としていないけれど
そんなに遠くない未来に
何かを見つけられる可能性だってあるのさ

できればいつか
「普遍」と言う名の喫茶店で
一緒に
アイスカフェオレを飲もうじゃないか
と言ったら、少々キザですか?(笑)

8月27日

若冲の絵には動機がないんです
ただ呼吸するように絵を描いている
なんの葛藤もない

動機息切れ(笑) (C)大野隆司

動機を中心に何かをすると必ず息切れしますね
だって動機って、邪ま(よこしま)なんだもん

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築地本願寺のバリアフリーダンスワークショップのチラシが出来上がりました
興味のある方は是非本願寺までお問い合わせください

8月28日

ギリシャの山火事

放火犯は数十匹のうさぎにガソリンを含ませた布を巻きつけ
火をつけて野に放ったそうです

(泣)

8月29日

静物っぽい絵を描いてみました
画家は
花瓶とか、さして面白みのない静物をなぜ描くのか
なんとなくわかったような気がします

そこに何かが存在するだけですばらしい
ということ
ただ存在するだけで素敵、ということを
証明するのが絵描きの仕事なのかも
と、うぬぼれてみるのもいいかな

8月30日

夏が失速したかのように涼しくなって
もう秋なのでしょうか
大きなレンコンも出回り始め
今日はレンコンのきんぴらを作りました

8月31日

高砂親方に、帰ってくるのが早いんじゃないですか?
とマスコミは問い詰めていたけれど
あんたたちがずっと朝青龍に張り付いているんだから
俺がモンゴルにいることないじゃん
と言ってやれ