かものはし日記 2007年7月号


7月1日

はっきりしない天候のせいか
ちょっと体調の悪い方が周りに多いようです

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暑いけれど
体を冷やさず
冷たい物を呑まずに過ごしましょう

7月2日

だいたいこんな感じかな〜
個展の描きおろしの絵がほぼできあがったかもしれない

できあがるとなんだか寂しいので

もうちょっと粘るか(笑)

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「知識」と「経験」が「理解」に取って代わるとき
人は初めて老いるんだと思います

7月3日

イラストレータの福田紀子さんの個展を見に銀座 月光荘へ
本人も絵もさわやかです
生き物たちへの愛を感じます
特にカエル
(カエル友の会の会員だそうです)

今、カエルがきているそうです
猫よりカエル
会場にいらしたカエル友の会の会長さんがおっしゃっておりました

来週の個展の絵に、カエルを描き足すかな(笑)
でもカエルは描いたことないな〜

銀座まで自転車だと30分ほど
たいした距離ではないのですが
今週は、来週の個展に備えて体を鍛えます

7月4日

今日は、個展の絵のタイトルを一枚一枚考えてます
タイトルを考えるのは、密かな楽しみのひとつですが
これだけいっぱいあると
どうしていいのやら(笑)

20代の頃は、ブライアン・イーノの前衛詩的な曲名から
イメージを拝借することが多々ありました
「Before and After Science」
「Another Green World」
「The Plateaux Of Mirror」
・・・
うっとりするようなタイトル達
(アンビエント音楽の超傑作アルバム「The Plateaux Of Mirror」を
「鏡面界」という邦題で世に出した日本人のだれかさんもすばらしい)

作品とタイトルは付きすぎず離れすぎず
この絶妙な距離にある場所を見つけることができたとき
イメージは爆発的に広がります
人間関係も一緒かも

7月5日

ムーディ勝山ってどう?

7月6日

レッドソックスの岡島の松坂を抑えてのオールスター出場に涙
巨人でコントロールが定まらず首脳陣に嫌われ、日ハムへ飛ばされたけれど
いまやレッドソックスの抑えの柱
よく頑張りました
デビルレイズ戦の最中にオールスターの出場を発表してくれる
メジャーって素敵だよね

夜は
ヴォイスパフォーマーの北原久仁香さんの公演を聞きに
三鷹へ
今回は彼女と彼女の教え子達の公演です
作品は北村薫の「語り女たち」
北原さんによって教え子達の特性が見事に引き出され
とてもすばらしくエロティックな朗読
(エロティックと言うのは生命力ということね)
女性の怖さと素敵さを堪能致しました
会場には
小説「語り女たち」に使われた謡口早苗さんの美しい銅版画が
飾られていて、さらにうっとり
本人もとても素敵でかわいい方
僕はこーゆう年上の女性に弱いのです(笑)
そして
「語り女たち」の中の一編「海の上のボサノヴァ」の登場人物のモデルとなっている
ボサノヴァ歌手の吉田慶子さんも見えておりました
彼女は歩くボサノヴァです
音楽家と言うよりは音楽そのもの
歌わなくても
お話をしているだけで
音楽を聴いているような感じがしました
アルバムも出ております
是非聞いてみてください
風と風の隙間から生まれてきたような天使のウィスパー・ボイス

公演後宴会に参加し
さらに午前0時上野で友人と待ち合わせをして
地元で朝まで呑みました・・・

7月7日

ほとんど寝ずに午前中は明日の搬入の準備
額装です

昼は
友人と電話でデヴィット・リンチ話

夜は
柏で飲み会
(呑んでばっかり)

そこで東京芸大の作曲家の美青年と知り合いました
クラシック・現代音楽の作曲家をめざしているそうです
シュトゥックハウゼン、ノーノ、アルヴォ・ペルト、武満徹などで盛り上がりました
(知っている限りの現代音楽家をぶつけてみる(笑)
作曲はどこでしているの?、と言う質問に
部屋に籠もってやるのが理想ですが
授業中に内職でやることも多いです
と言っておりました
授業中の内職に作曲って
かっこいいねー

7月8日

搬入

絵を運んでくれた赤帽のおじさんとプロ野球談義をしながらギャラリーMalleへ
レッドソックスの岡島の話で盛り上がりました

絵をどういう風に並べていいのか、途方に暮れていたら
オーナーが上手にプロデュースしてくださいました
よかった、よかった
オーナーと軽くビールを飲んで
一週間お世話になります、とご挨拶をして帰宅

個展は10日からです
明日はギャラリーはお休みです
僕も明日は呑みませんよ(笑)

7月9日

いよいよ明日から個展です

皆様
是非いらしてくださいませ

7月10日

個展初日

たくさんの方が来てくださって
とても嬉しかったです
ありがとうございました

終了後は
メキシコ料理屋で友人達と大宴会
幸せな時間でした

初日が終わるとちょっとほっとします

7月11日

個展二日目

初日ほどではありませんが
平日なのにいらして頂いて恐縮です

ここのギャラリーには素敵なテラスがあって
そこから会場内がみえるのです
テラスの椅子に座ってぼーっと自分の絵を眺めながら
次は何を描こうかな〜
と、考えていたら
オーナーに自分の絵にうっとりしているんでしょ、と言われてしまいました
いやいや、そんなにナルシストではありません(笑)

今日は
沖縄料理屋さんで宴

7月12日

自分が気に入っている絵と
皆さんが気に入ってくださる絵が微妙に違います(笑)
こういう話は絵描きの人からよく聞きます
描き手の思い入れの強い絵は
意識している部分が強すぎるのかもしれません
無意識が足りないというか

人と人とのコミュニケーションの大部分は
実は
無意識で行われているのかもしれませんね

今日も沖縄料理

7月13日

個展4日目

学生時代から敬愛している美術評論家の滝本誠さんが個展会場にいらしてくださいました
会いたいと思っている方にはいつか必ず会えますね
ギャラリーのテラスで
デヴィット・リンチ
ラース・フォン・トリアーなど
怪しげな映画監督の話で盛り上がり
最後にもうじき公開のデヴィットリンチの映画「インランド・エンパイア」に合わせた
滝本さんのデヴィット・リンチ本
「コーヒーブレイク、デヴィット・リンチをいかが」に
サインしてもらっちゃった

インランド・エンパイアはアメリカでは配給が決まらず
監督自身でフィルムを持って
公演をしながら全国で上映したそうです
ガッツあるな〜

今日も沖縄料理

7月14日

個展に来てくださった
友人のフリーエディターKくんの話によると
漫画家の畑中純さんは
仕事がないときも
勝手に100ページぐらいマンガを描いちゃったり
どんどん版画作品を作ったりと
仕事があるなしに関わらず
精力的に作品を作り続けているそうです

これぞ絵描き

今日はいい話を聞かせて頂きました
僕も展覧会が終わっても気を抜かず
もくもくと絵を描こうと思います

今日は串揚げ料理

7月15日

あっという間の一週間
来てくださった皆様ありがとうございました
とても幸せでした

台風の進路もちょっとずれて
嵐にならずに済んでよかったです
(搬出もスムーズでした。
搬出を手伝ってくださった美女たち、ありがとうございました。)

しかし
個展が終わった後のこの寂しさは何だ
泣きそうだよ(笑)

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ギャラリー「Malle」   (撮影 AN)

7月16日

昨日の深夜、激しく寂しい気分でいたら
友人から飲みのお誘いの電話があり
朝の5時まで日暮里で飲む
その後
谷中の墓地で野良猫たちをなで回し
さらに
上野公園の噴水前でのラジオ体操に参加(笑)
たくさんのお年寄りが参加していて
中国の早朝太極拳みたいな光景が圧巻でした

本日から
再び
引きこもり生活に戻ります(笑)

7月17日

昨日
個展期間中に来られなかった友人から
ぜひ絵を観たいというお電話をいただきました

それならば自宅で個展を開くしかあるまい(笑)

といっても箱から額を出して無造作に並べただけだけど
友人は楽しんでくれたようでよかったです

彼のむすめさんは僕のことを
加藤びゅーびゅー先生とよぶそうです(笑)
かとうりょうゆうは子供の耳にはかとうびゅーびゅーと聞こえるのかな
風通しがよすぎる感じが気に入っています
がけっぷちに立っているような潔さと緊張感があるでしょ

午前中の特設個展終了後は絵の発送
買ってくださった方々ありがとうございます
愛でてあげてくださいませ 

7月18日

メールとWeb専用パソコンが立ち上がらなくなりました
こういう場合はとりあえずC−MOSクリア
電源回路をはずして、内蔵電池をはずして
コンデンサが放電するまで一日ほど放置プレイ

復活するといいな〜

今日は画廊巡り
ガラス作家の星樹里亜さんのグループ展
(静謐でかわいいガラスのオブジェ)
オブジェ作家のヨシカワゴエモンさんの個展
(曲線と色遣いが美しいスポンジは虫類)
そして
先週個展をさせて頂いたギャラリーマールのオーナーにご挨拶に行きました
つい3日前に個展を終えたばかりなのに
何かとてもなつかしい
我が家に帰ってきた気分です
今開催中の津田恵子さんの銅版画も素敵です
まるでフリージャズのような抽象画

夜は、経王寺に絵を奉納してきました
そして宴会・・
そして夜中のラーメン
(餃子で勘弁してもらいました(笑) 
ごめんね、胃腸が弱くて

7月19日

パソコン修理中

7月20日

パソコン修理中(泣)
仕事用ではないので、仕事に支障はないのだが
音楽サーバとして使っているパソコンなので
生活には激しく支障があるのです

音楽がないと生きていけない・・

・・・こともないか(笑)

絵を買ってくださった友人が絵を取りに来てくれたので
そばを食べにいって昼間からビール
個展会場に家族で来てくれて
彼の娘さんがニコニコ笑いながら会場内を歩き回っている姿に
癒されました
人は本来ただ生きているだけでうれしくて
僕にもそういう頃がきっとあって
(覚えていないけど)
またそれを取り戻したいと思うのです

7月21日

アジアカップ
日本・オーストラリア戦

いろんな意味で楽しめました

ひとりでドリブル突破して蹴りこめばいいのに
みんながゴール前に集まるまで待っているし
ゴール前ではもたつくし
まるで自分を観ているよう、と多くの日本人は思ったことでしょう
もちろん僕もね
鏡のような試合でした(笑)
あの躊躇の様は農耕民族の性ですな
狩猟民族と戦うとはっきり出ますね
仕方ありません

最終的に「根性」で勝ちました(笑)
それでいいのです
精神論の国なんだもん

でも、躊躇はしたくないな〜

7月22日

昨日のお昼
友人の話によると
神田神保町にものすごく腰の強い蕎麦を出す立ち食い蕎麦屋がある
というので行ってみました
立ち食い蕎麦屋とは思えないほどおしゃれな佇まいです
ダイニング系?
場所は三井ビルの向かい、「錦」という名前のお店です

初めて入る蕎麦屋で注文するものは
もり蕎麦の大盛りと決めているのですが
ここのは大盛りの量が半端じゃなくて
生まれて初めて蕎麦屋で蕎麦を残しました・・不覚
(俺はギャル曽根じゃないぞ(笑)
それでも無理して食べたおかげで
今日の昼までお腹が空きませんでした・・(泣)

味は・・
(食べきることに専念しすぎてあまり味わうひまがありませんでしたが)
腰はあるけど風味がないような
蕎麦というもののむずかしさを感じました
(って、えらそう)

7月23日

個展「はだいろのたましい。」で展示した絵を
全部アップしました。
ここからどうぞ
販売もしております
よろしければぜひ

7月24日

動機

物語は新しい動機をさがしていますが
新しい動機はもう見当たりません
主人公は動機がないから動けなくなっています
本当に動機は必要なのでしょうか
心が結果や目標を追求しなくなったとき
初めて人は素敵に生きていけるような気がします
物語は
それを新たに証明しなくてはいけないと思うのです

7月25日

アジアカップ 日本・サウジアラビア戦

日本人というのは
ゴールにボールを蹴りこむという概念がないのかもしれません(笑)
ゴールというのはある意味西洋的な世界観だものね
永遠に流れるようなパス回しをする
葛藤のない関係性だけが存在する
ただそれだけ
でも
それは悪いことじゃないような気がするな〜
始まりもなく終わりもない
東洋的な宇宙観
ゴールもシュートじゃなくてパスでいいじゃん

7月26日

自転車に乗って秋葉原へ
電解コンデンサを買いにいく
起動が不安定になったパソコンのマザーボードの
壊れたコンデンサ(腫れ物のように膨らんでいる)を差し替えるため
久々にラジオデパート
ラジオ製作少年だったころはよく行きましたが
ずいぶん久しぶりです
パーツ屋のおじさんに事情を話し
低インピーダンスのコンデンサを10個ほど購入
国産のコンデンサは結構高いけど高性能だし耐久性も優れている
(やっぱり日本製がいちばんなのさ)

そのあとは深川へ
(途中雨に降られ、コンビニで雨宿り)
友人のまつばらあつしさんの個展を観に行く
「深川いっぷく」というギャラリーは
ギャラリーというよりは
アート駄菓子屋という感じの素敵なところです
変なものがいっぱい売っています
コーヒーを飲みながら
オーナーと自転車のお話などをして、ゆったりとした時間を過ごさせていただきました
深川は
うちの近所(台東区と荒川区の境)よりさらに下町度がディープ
ここに住むのもいいな〜

帰宅後早速マザーボードを修理
プリント基板に密集してはんだ付けされているコンデンサをきれいにはずして
新しいコンデンサに差し替えるのはなかなか難しい作業です
どうも老眼のせいか(笑)
手元がよく見えず、勘で半田ごてを使っていたら
指をちょっとやけどしてしまいました
はんだ付けをしていると
もう一本腕がほしくなりますね
(僕の場合は、それを足の指で代用してますが(笑)
夕食も食べずに夢中になって修理して
電源を入れたら無事起動
そして安定動作

絵がうまくいったのと同じくらいうれしい(笑)

7月27日

久しぶりに半田ごてを握ったら
すっかり電子工作熱が盛り上がってしまいました
近いうちに
USB真空管アンプを作ろうかと思っています

mp3を真空管アンプで聞くのです(笑)

真空管アンプは、最近ブームらしくて
以前より真空管が入手しやすくなったそうです
パーツも少ないし、実は手軽
ただシャーシの穴あけが大変そう

7月28日

今日は隅田川の花火大会
実はうちのマンションの窓から花火がちょこっと見えるのです
ビルとビルの隙間にちらりと(笑)

遠花火

確か、俳句の季語にありましたね
ひとりビールを飲みながら
遠くの花火を眺める
何か内省的な気分です

そしてお月様はほぼ満月
UFOの編隊飛行のように飛び交うヘリコプター

不思議な光景です

7月29日

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上野公園、朝6時半
ラジオ体操の風景
僕が体操している姿をじっと見つめる猫

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 ラジオ体操が始まると拍手
終わると拍手

7月30日

気持ちが落ち込んだときは
何が気持ちを落ち込ませ
何に恐怖を感じているかを検証します
自分が何を恐れているのか
それをじっと見つめる。
恐れていることを
悪いことだとか
だめなことだとか
思わず、何も評価判断せず
ただ見つめる
見つめるということは光をあてるということ
光を当てればそれが何であるかが理解できる
逃げずに理解することが大事

と、自分にもう一度言い聞かせた日

7月31日

心を開く
とはどういうことなのか
心を開くという抽象的な行為を考える前に
開こうとしているその扉が何でできているのかを
洞察する必要があります
扉は
たぶんさまざまな先入観でできていて
先入観は恐怖心から生まれてきているように思われます

音楽家の友人がこんなメールを送ってくれました

この件はぜったいこうだ!って
いつのまにか決め付けちゃう部分は
やっぱりいらないような気がするの。
「あのひとはこうだ」とか
「これはこうしたほうがいい」とか
そこの部分だけ古くなる

「そこの部分だけ古くなる」という部分が
素敵です
古い扉に向かって、開けごまといっても
多分開かないでしょう
扉をじっと見つめて
ひたすら観察
そして理解
そうすれば扉は開くというよりは
なくなってしまうのでしょうね

そうそう
僕は
「加藤さんって、こーゆう人だよね」
っていわれるのがとても嫌いです(笑)