かものはし日記 2007年2月号


2月1日

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sacred tibetan chant /monks of sherab ling monastery

チベット仏教の読経アルバム
2004年
グラミー賞のトラディショナルワールドミュージック部門のベストアルバム賞を受賞

お坊さんの声明とルイ・アームストロングのだみ声は
似ているのでは?

愛はだみ声にあり(笑)

2月2日

たまたまテレビでやっていた「千と千尋」をちょろっと観る
良い作品だけど
やはり
宮崎アニメは「未来少年コナン」が一番すばらしい
(えらそう)
はつらつとした精神と肉体を持った者だけが問題を適切に解決できる
コナン少年はまさにその人
ありのままの心(何の先入観もない心)が
かたくなな心に優しく響くんだね
子供のくせに
モンスリーをいい女にしちゃったんだよ
すごいじゃないか(笑)

2月3日

すべての観念を疑い
(唯物論も哲学も科学もスピリチュアリズムも神も仏も・・過去の経験も、なにもかもだ)
何の先入観も持たず
何の葛藤もないせいせいとした心で
世界を観る
全生命をかけて「今」に注意を向ける
そして
何も考えず筆を動かす

それができれば僕は絵描きだ

2月4日

NHKのドキュメンタリー番組
プラネット・アース第10集
今回は森の特集
森があるから
弱くて小さい生き物たちが生きることができる
地球の生き物たちの多様性は森のおかげでもある
自然は決して過酷なものでも残酷なものでもない
生と死にはなんの感傷もない
美しさだけがそこにある
プラネット・アースは、自然を感傷的にとらえず
ただありのままを映していたところがとても印象的だった
ただ
人間の破壊的な自然への干渉(特に温暖化)が
他の生き物たちの生活圏を過激に脅かしている状況を見せられると
とても感傷的になってしまう
かわいそうという気持ちでいっぱいになる

次週でプラネット・アースは最終回
世界にはあふれんばかりの多様な生き物がいるのに
ちょっと残念

2月5日

お気に入りの象の映像を見ながらふと思う
象が花粉症になったら辛いだろうな〜
でも
彼らは鼻洗い(鼻の中に水を通す)ができるから大丈夫か

花粉症にきくハーブティをいただいた
ついでにオシャレなカップまで

花粉症歴20数年
花粉症という言葉ができる前から花粉症の俺
最近では
花粉症であることを忘れつつある(笑)

2月6日

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ホシノマダラザメ
泳ぐ夜空

2月7日

日本を動かしているのは官僚であって
政治家の役割は
バカを演じて
いかに国民に政治への感心をなくさせるかです
その間にやりたい放題
時間をかけて議論しなければいけない大事な法案が自動的にどんどん通っていく
与党も野党も仲良くいい仕事をしております
それを上手に演出しているマスコミもなかなかの仕事ぶりです
茶番狂言では、オチに使ったお菓子をお客さんに配っていたそうですが
さしずめお客さんは省庁にお仕事をもらっている企業かな
僕らは客ですらない
僕らはこの茶番劇のどこに参加すればいいんだろうね

2月8日

数多くの音楽家が演奏したガーシュイン作曲の名曲
summertime
ジャニス・ジョプリンやコルトレーンの激しい演奏ばかりが目立つのですが
実は子守歌

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poggy and bess / ella fitzgerald & louis armstrong
を聞くとよくわかります

歌詞と対訳は以下の通り

Summertime and the living is easy
Fish are jumping and the cotton is high
Oh your daddy's rich
And you ma is good lookin'
So hush little baby don't you cry

夏は暮らしやすい
魚ははねるし綿花は育つ
パパは金持ち
ママは美人
だから、良い子だ、泣くんじゃないよ

2月だというのに春の陽気
この分だと温暖化で一年中summertime
なにやら不気味な音楽に聞こえてきません?(笑)

パパは金持ちママは美人みたいな見栄っ張りな価値観が
地球を温暖化にするんだよな〜

2月9日

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on the wing /stephan micus

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towards the wing/stephan micus

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athos/stephan micus

たくさんの民族楽器を一人で演奏し
多重録音で
色を重ねるように繊細な音楽を作り上げる
新しい民族楽器をマスターするごとに
新しいアルバムを出す方だそうです

ともすると
この手の音楽は、ニューエイジやら癒し系音楽に分類されがちですが
決して情に流されず
感傷的にならないところが
ECMレーベルならではでしょう

ジャケットもとても美しい

2月10日

上野駅構内にある粋花というラーメン屋にいって
suicaでラーメンを食べるのが
当面の夢
地下鉄ばかりであんまりJRは使わないんだよね〜
だからといってわざわざ乗るのもなんだかね
なんとなく乗って
何となく小腹が空いて
そういえば、ここは上野駅じゃないか
っていう感じで食べたいのです

わざわざ上野駅まで食べに来る人がいるくらいおいしいらしいです

2月11日

プラネット・アース最終回は深海の生物たち
どちらかと言えば
宇宙船に乗るよりは深海探査船しんかい6500に乗ってみたい

本当に地球は美しい
ただただ、ため息

2月12日

チューブワームとエウロパとペンネ

地球のほとんどの生命は
太陽の恩恵を受けて生きているのだが
昨日のプラネット・アースにも出てきた熱水噴出口に群生する深海生物チューブワームは
太陽ではなく地球のマグマの熱で生きている
硫化水素を分解するバクテリアと共生し
太陽がなくても熱と水さえあれば生きていける生命系が存在するのだ
そしてエウロパ
木星の第二衛星
太陽から遠く離れたこの星は大量の水の層と火山活動が確認されている
ということは、エウロパにチューブワームのような生命の可能性があるということ
さらにペンネ
筒状でペン先に似たショート・パスタ
ペンネを茹でると
沸騰したお湯の中でペンネが鍋底で綺麗に並んで立つ
それは
まるで熱水噴出口でチューブワームが群生しているように見えるのです

パスタの中ではペンネが一番好き
今日もペンネを茹でました
ペンネを茹でると
必然的に想いは宇宙(そら)へ・・

(要するに今日はお昼に
ペンネ・アラビアータをつくったということです(笑)

2月13日

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painted desert / ikue mori

かつてローリー・アンダーソンが
テクノロジーというのは実はとっても女性的なものなのよ
と言って
実際彼女のパフォーマンスでそれを素敵に証明してみせたわけだけど
このアルバムもまさしくそういう感じ
ikue mori は、ドラムマシーンとは思えない暖かいリズムを紡ぎ出し
robert quine , marc ribotという二人の先鋭ギタリストを優しく包み込む
激しく絡めば良いってもんじゃないのよ

テクノノスタルジア
という造語がぴったりのなにかなつかしい音楽

2月14日

プラネット・アースのBBC版を観る機会を得た
プラネット・アースはNHKとBBCの共同制作なので
当然、BBC版が存在する
当然、英語
当然、ナビゲーターの緒方拳は出てこない
日本語版のような詳しい解説はほとんどない
緒方拳の自然観を押しつけられることもない
ただおじさんの渋いナレーションと映像のみ
(森の賢者のような深みのある声だなと思っていたら
なんと動物学者のデヴィット・アッテンボロー博士です
BBCでプロデューサーとしてたくさんの動物番組を手がけた方
著作も多数)

知識ではなく感覚
しくみを理解するのではなく瞬間の感受性を解放する

自然の知識を蓄積するのではなく
自然を感じる
(バーチャルとはいえ)
今はそれが一番大切なんだと思う

2月15日


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Esbjorn Svensson Trio/ tuesday wanderland

(エスビョルン・スヴェンソン トリオ) 
Not what Jazz was, but a vision of what it can be..
ジャズとは何かではなく、ジャズはどこまで可能なのかを示すことができるトリオ

と、ニューヨークタイムズに紹介されたノルウェー出身の
新世代ピアノトリオ
最近の北欧のジャズはすごいんです

ピアノトリオと言っても小じゃれていません
フランジャー等のエフェクターを駆使した
アンビエントでクラシカルなコンテンポラリージャズと言っちゃうと身も蓋もないので
言いません
毎度の事ながら
言葉で音楽を伝えるのはむずかしいので顔写真を載せちゃおう

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こーゆう顔の人たち。
なんとなく「音」がわかりません?
何も眉毛まで剃ることないのに(笑)

2月16日

ズボンのポケットにティッシュを入れたまま
洗濯
洗濯物がすべて粉を吹く(泣)
(手すきの紙みたいな状態)

メールを書くことに集中していたら
調理中であることを忘れ
食材をすべて焦がす(泣)

などなど
今日はさんざんな日でした

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Ute Lemper Sings Kurt Weill 1,2/ute lemper

ウテ・レンパー姉さんが歌う
クルト・ワイル曲集
(ブレヒトの三文オペラの曲を作った人)
ずいぶん昔、図書館のCDコーナーで見つけて以来の愛聴盤
優しく力強くそしてかわいい
マリーネ・ディートリッヒの再来だそうです

退廃的なのにやけに元気な楽曲もすばらしい
特にスラバヤ・ジョニーがお気に入り

2月17日

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SYR1 anagrama /sonic youth

先日
病院に見舞いに行ったら
美人の看護婦さんに
なんかジャズを聴きそうな感じですね、と言われ
とても嬉しいおれ(笑)
うむ、順調に年齢を重ねているな

聞くところによると
最近の若者はエレキ・ギターを買わないらしい
買うのはオヤジばかり
ジャズはもちろんのこと
ロックもオヤジのものになりつつあるな
(じゃあ、若者は何を聞いているの?)

エレキ・ギターを買わないなんて・・
(僕も買わなかったけどさ(笑)
エレキ・ギターほど野蛮で繊細な楽器はないのに

というわけで
全曲インストの美しく繊細なノイズ・ギターを堪能する
ソニック・ユースの自家製レーベル
SYRの第一弾
SYRシリーズは7枚ほどでています
どれもお勧め

2月18日

東京マラソン
東京の人たちは
これを機会に電車も車も乗るのをやめて
みんな走ればいいじゃん(笑)

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lux vivens (living light)
the music of hildegard von brigen
/seagrav montgomery & david linch

12世紀の中世ドイツの女子修道院長
神秘家で、優れた作曲家であるヒンデガルド・フォン・ビンゲンの楽曲を
ジョスリン・モンゴメリーが歌う
プロデュースは映画監督のデビット・リンチ
冒頭からブオーンという低音ノイズ
そして
透明感のある美しい声
1998年の作品

さて
新作「inland empire」の国内公開が控えているデヴィット・リンチですが
本を出しています
(英語の朗読本のCDが出ています)

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Catching the Big Fish: Meditation, Consciousness, and Creativity
瞑想、意識、想像

「芸術を苦しんで創りあげなくていい」

という立場のアーティストとして
リンカーンセンターで新刊本のイベントで公演をしたそうです

心を静かにして
直感を大切にする

先入観のない心の中で生まれた直感こそが愛である
とリンチは言っているような気がします
それは普段の生活でも言えることです

葛藤することが生命力ではありません
先入観のないはつらつとした精神の中からわき出てくる直感こそが
生命力
苦しみ、葛藤の中で生き抜いていこうという文化は
終わって欲しい
僕はそれを切に願っています

2月19日

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bluebob /david lynch & john neff

映画監督であるデヴィット・リンチですが
このアルバムではギター・ドラム・パーカッションを演奏しています
機械音、消防車の音などのノイズを多用したヘヴィで美しい
インダストリアル・ロックンロール

そろそろ新作映画の公開も近い(4月?)ので
彼の音楽を聴いて
気分を盛り上げておかないとね

2月20日

メタボリッ君
というキャラを思いついたので
クロッキー帳にいくつか描いてみたのだけれど
うまくいきませんでした

という
くだらない一日(笑)

 

2月21日

flat earth society

という団体があるそうです
地球が球体ではなく、平らであると信じている人たち

地球がまるいことを疑えとはいいませんが
科学的事実や常識を疑うことは大事なことだと思います

最近僕が一番疑っているのは
「人生は修行だ!」という台詞
人は苦労しなければならないと、苦労した大人は言うけれど
苦労の果てがこの世界。
苦労の反動が世界を滅ぼす

2月22日

先月の後半と今月の前半
訳あって母と会う機会がものすごく多かったのです

母と世間話をしていると
何度も何度も同じ話をするので
(友人の悪口)
その話聞いた、というと角が立つでしょ
だから
同じ話をするたびに
リアクションを変えることにしたのです
10回同じ話をされたら
10通りの展開を考える
そうすれば、話が変わって面白くなる
実際やってみました
いくつかはうまくいって
全く違う話に展開していったのですが
結局最後の結論は全部同じになるのです
どうやっても
最終的に母の結論にたどり着く
母の頭の中では
最初から結論は決まっているわけですから(笑)

2月23日

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taiga / ooioo

「おーおーあいおおおお」と読む
女性4人組のアヴァン・ロックバンドの新譜
ボアダムスのyoshimiさんがリーダーで
10年以上活動しています

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都市生活者の民族音楽というべきか
アスファルトの上にいるのに
自分が土の上や浅い川の上に立っているような感じのする音楽
元気のない人にお勧め

聞くと元気が出るのではなく
元気か、元気じゃないか、が特に気にならなくなる(笑)
スピリチュアル&ゆるゆるロック

女の子の感覚というのは
あらゆる意味で最先端
それを再認識しました

2月24日

「ノスタルジーとしての冬」

久々に寒い日でした
今日は友人が審査員をやっている
短歌朗読コンテストを観に神保町へ
その後は当然のごとく宴
久々のはしご酒で終電を逃す

午前2時
タクシーの運転手さんが
今日は寒いですね、と話しかける
冬が寒いと安心します
と答えると、運転手さんはそうですねと小さく笑う

数十年後
おじいちゃんが孫に言うのです

昔、「冬」っていうのがあってね
寒いっていう感覚があったんだよ
わかるかい

うーん、わかんない、と孫

そうだ、今度幕張にできた「冬」というテーマパークで
冬を体験しよう

わーい

敬愛する友人でありロック師匠であるイラストレーター、ひろき真冬さんは
温暖化のせいで「ひろき真夏」に変わってしまうのだろうか
そんなわけないだろ!
と頭の中でつっこみをいれつつ
帰宅(笑)

2月25日

「幻想の終わり」

この世界は寝ている者たちの夢
われわれが目覚めているとき
地球の裏側の人たちは眠っている

われわれは交代で
夢を維持する

地球のすべての人が目を覚ましたら
どうなるのだろうかと
想像する

2月26日

「質問をしない」

なぜだろう?と自分に質問をしない
因果律の罠にはまらない

理由がなければ
動き出せないのならば
一生うごけない

理由があるから
動くのならば
それは欺瞞

2月27日

花粉症になる人というのは
具体的にこれだとは言えませんが
なんとなくある雰囲気を持っているのです
今日後藤と電話をしていて
そういう雰囲気を感じ
何気なく、今年花粉症になったのでは?と聞いたら
3日前に突然なったと言われ
ちょっとびっくりしました

ようこそ花粉症ワールドへ
ようやく後藤も俺の苦しみがわかるようになってくれて
後ろ暗い喜びでいっぱいです(笑)

ある種の緊張を抱えている人
そういう人は花粉症になりやすいのかも
整体の先生のお話によると
頸椎(首の骨)の緊張から
花粉症は発症するらしいのです
背骨の一つ一つの骨は
それぞれの体の器官に対応し
背骨の緊張が
様々な病気の要因になるようです

僕の場合は頸椎を温めることで
花粉症の症状を緩和させています
あとストレッチ

体を緊張させず
ストレッチ等で背骨の緊張を緩め
体を冷やさないで
はつらつとした気持ちで日々を送りましょう

しつこいようですが
後藤よ
ようこそ、花粉症ワールドへ(笑)

2月28日

久々にテレビ観戦したサッカー日本代表戦
オリンピック予選ですね
日本のスリートップが
平山相太、カレン・ロバート、李忠成と
人種混合カルテットなのがいい
それぞれ複雑な思いはあっても
周りに愛している人がいるんだよね
それがうれしい

今やっているソフトバンクのプロポーズCMが好きです
演出も上手だけれど
市川実日子の表情が素敵