かものはし日記 2006年9月号


9月1日

京都議定書のホスト国のくせに
7パーセントの二酸化炭素削減目標を達成できず
逆に8パーセント増えちゃった、って
どういうこと?

東京オリンピックなんてやってる場合ではないのだよ

9月2日

どんなひどい事、状況、事件にも
必ずある種の切なさがある
その切なさを汲み取るのが一番大切
現象にとらわれると人の本質を見失う
「悪意」はしょせん「現象」に過ぎない
と、思う

9月3日

心療内科医のエッセイのイラストを描きました

エッセイの内容とは関係ないのですが
思い出したことをちょっと書きます

病気というのは
自分の中の強い思いに気付かないふりをしていると
なるそうです
「自分らしく生きられないエネルギー」が病気となって
発現する

友人に出会った時からずっと
鬱病の人がいます
(20年以上)
彼を観ていると
鬱病というのは弱いからなるわけではなく
実は強いのだ、ということがわかります

ずっと落ち込み続けるエネルギーってすごいじゃん
僕にはできない
(つらくてすぐ元気になっちゃう(笑)
と、彼に言ったことがあります

自分らしく生きるということは
自分で見つけなければいけない技術のようです
これだけは
誰も教えてくれない

9月4日

(X+8)*5/9

この式のxにこおろぎが15秒間に鳴いた数を当てはめると
その場所の気温が出るそうです
誤差は2度(笑)

素敵な数式でしょ
一匹のこおろぎの鳴き声を特定して
数えるのはものすごく難しそうだけど

こーゆうこと考える人って好き

9月5日

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9月23日から
「大野隆司とゆかいな仲間たち展」にちょろっと参加します
大野さんはかわいい猫の版画で有名な方です
ぼくはゆかいな仲間のひとりであります
(ふかいな仲間じゃなくてよかった(笑)
原画を3点ほど販売します
詳細はのちほど


9月6日

6年をかけて修復された伊藤若冲の作品を観に宮内庁三の丸尚蔵館へ
抜群の構図と色彩の美しさに圧倒されました
ここで売っている若冲のポストカードセット
「動植物綵絵」はお買い得です
印刷は綺麗だし
30枚セットで1200円

若冲の展示はもうじき終わりますが
ポストカードセットは売店で買えます

皇居の森の中
とても気持ちが良いところです
皇居ののら猫は人なつこいのですが
とても野性的
狩りで生計を立てています
連れは猫が雀を捕まえる瞬間を目撃して
ショックを受けていました(笑)

9月7日

今日の夕食はおでん
大根抱えて100円ショップでうろうろしていたら
大家さんに会ってしまう
一緒にお昼を食べない?と誘われたのですが
食べたばかりでした
残念

9月8日

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9月23日〜10月6日
「大野隆司とゆかいな仲間たち」展に参加します
詳細は以下の通り

http://homepage2.nifty.com/cyobanashi/

JR日進駅(大宮から川越線)から徒歩7分
さいたま市北区日進町2−1548
gallery&cafe クエンチ

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9月9日

谷中コミュニティ委員会主催の陶芸体験バスツアーに参加
バスに揺られて2時間
笠間市陶芸美術館にて陶芸家の作品を鑑賞
プロの陶芸というのは、綺麗なだけで意外と訴えかけてくるような
おもしろいものはなく
実は、併設展示されていた素人の作品の方が
遙かに面白かったです

美術館内でヘルシーでおいしい昼食を食べた後
桧佐工房にていよいよ作陶
まず
若い女の子の先生に、「手びねり」という基本的な作り方を教わる

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制作時間1時間ちょっとというタイトなスケジュール
(小学校の図工の時間より短い)
久々に集中しました(笑)
このツアーに誘ってくれたTさんが
先生の教えてくれた作り方を無視して
異様な形の壺(頸椎2番専用の骨壺というコンセプトらしい)を作っているのを
横目に
僕は、まあ最初だから
コーヒーカップだよね、と思い
ねんどをごにょごにょ
やっぱり流線模様は僕の基本だから付けちゃおう
せっかくだから足も付けちゃおう
せっかくだから角も
せっかくだから渦巻きも
という感じで以下の通り(笑)

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縄文式コーヒーカップという感じでしょうか(笑)
突起物がいっぱいあって
飲みにくそうです
(実際口を付けられる場所は一カ所)

9月10日

昨日の粘土の感触が忘れられず
今日は練り物をつくろう、ということで夕食は餃子
いつも調味料その他は目分量なので
仕上がりにばらつきがあります
味見をするのがめんどくさいので
練り込んでいるときのにおいで
判断します
今回は餡にレンコンのみじん切りなどを混ぜて
食感を変えてみました
しゃきしゃき餃子です

9月11日

安易にゴールを目指すことより
まず
スタートラインに立つことの方が
大切な気がします
この世界はなぜかゴールばかりがあって
スタートラインがない
スタートラインなしでゴールをしようとしている

じっくりと
自分のスタートラインがどこにあるかを
再考したい

スタートラインにちゃんと立てば
おのずと
本当のゴールは見えてくるはずです

目指すべきはスタートライン
ゴールじゃない

9月14日

久々に後藤が遊びにきて
開口一番

部屋が汚い

ええ〜?、全然綺麗じゃん
(確かに冷蔵庫から水のようなものが漏れているが・・)

元妻みたいなことを言うな(笑)

盟友、後藤もがんばっておる
嬉しい限り
僕もがんばる
お互いいい絵を描こう

9月16日

谷中で宴
そして雑魚寝
雑魚寝なんて数十年ぶり
寝付けないので
起きている人としりとりをする(笑)
これも数十年ぶり
おとなのしりとりはひと味違う
テーマがあるのです
今回は名字しりとり
(そんなたいそうなテーマじゃないじゃん(笑)
やってみるとすぐに行き詰まります
「べ」で終わる名字は多いのですが(渡辺とか)
「べ」もしくは「へ」で始まる名字ってほとんどない
(辺見、別所、別府くらい)

9月17日

きのうの宴のメインテーマであった
中島敦の「山月記」
青空文庫で読み直してみました
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html

そうそうこういう話
詩人になろうとして虎になってしまった男の話
子供の頃はそれほど心に残らなかったけれど
今読むとかなりの衝撃
(ものすごく短いお話なので、読んだことのない人は是非ご一読を)

「人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。
おれの場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった」

「尊大な羞恥心」か
うまいこと言うな
おれにもあるよ、これ

9月18日

後藤が台所の床が汚いというので
今日は朝から拭き掃除
ぞうきんがけで汗びっしょり
体が軽くなって爽快だ
明日は久々に晴れそうなので
大洗濯大会

生きるとはそういうこと

地味だけど聖なる作業なのです 

9月19日

今日の大洗濯大会は
大会にふさわしく
ハンガーが足りず全部干せない(泣)
ちょっと洗濯物を溜めすぎた

お昼ご飯は
ちりめんじゃこと梅干しベースの
ヘルシーチャーハンに挑戦

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RockPaperScissors/michael brook

マイケル・ブルックの新譜
ブライアン・イーノとの傑作コラボアルバム「ハイブリッド」がとても有名

秋の夜長にふさわしい
アンビエント・エスニック・ロック

良い仕事をたくさんしている人なのだけど
ちょっと地味な印象
でも僕は大好き
隠れた逸材

9月20日

香瑠鼓さんのCDのジャケット・イラストを納品して
一安心
初めてのジャンルの仕事は緊張します

 

自民党新総裁がきまったようですね
今は
リーダーがどうのこうのというよりは
市井の人たちが
都会という自然を拒否した世界の中で
たとえば丸の内のど真ん中のアスファルトの上で
きっちり地球の自然を感じることができる感受性と勇気が
求められているんだと思います

個人個人の覚悟が大事

友人の小森慶子さん、初のリーダーバンドのライブを聞きに
なってるハウス(入谷)へ
彼女は普段フリージャズのサックスプレーヤーなのですが
(凶暴系ジャズ(笑)
今回のバンドは、トラッド系かな
編成は
小森慶子(reed) アラン・バトン(acc)守屋拓之(b)のみやたかこ(ダルブッカ)

ロングスカートをはいて右足で踊るようにテンポをとりながら
クラリネットを演奏する彼女にうっとり
遊牧民が奏でる音楽のように
やさしく、ちょっと悲しげなところが彼女らしいです

今後はもっとメンバーの関係性を深めて
バンドのクオリティを上げていきたいとのこと
がんばるけーこさん
期待しております

9月21日

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tim berne, bill frisell /theoretically

1984年発表のちょっと古い作品ですが
僕にとってはベスト1
一番最初の「m」というタイトルの曲がすばらしい
ビルの夜の森を思わせるようなアコースティック・ギターに
ティムの狼の遠吠えサックス
美しいとはこういうこと、と思いこんでいる作品です

昨日の小森慶子さんのタイトル未定の曲が
すごくこれに近いイメージでした
森の中でクラリネットが踊っているような
そういえば
描いた小説のタイトルが思いつかないと
小説家志望のてぷちゃんが言っていました
(読ませてもらったけれど、とても良い作品)
「m」というタイトルもきっと
なにもおもいつかなかったのでしょうね(笑)

タイトルが付けられないものって、あるんだよね
なにものでもないもの

それはとても素敵なことです

余談

ジム・ジャームッシュの映画「dead man」に出てきた
インディアンの名前は確か
nobody
これもいい映画でした

「散髪」
いつも行く散髪屋さんには
何人かいる理容師の中に白髪の品のいいおばあさんがいて
いつもその人に当たるといいな
と思って待合室のソファーで待っています
(ぼくは白髪の品の良いおばあさんに弱い)
どんな髪型にしますか、と聞かれ
一番短い坊主刈りと答えるのだけど
終わった後
必ず
こんな簡単な髪型なのに同じ料金を頂いて
申し訳ないと頭を下げられ
いえいえとんでもないと
僕も深々と頭を下げたりして
何か不思議に
感謝の気持ちでいっぱいになる散髪屋さんなのでした(笑)

9月22日

昨日は落語初体験
日暮里サニーホールへ
立川志遊という噺家
演目は、八百屋お七 と 品川心中
結構酷いネタで
救いのない笑いが多いのですが
でも救われちゃう
笑うというのはすばらしいものです

どんなに酷い状況でも笑っちゃう
というのは人生最大の極意ですね
極めたいものです

帰りはほろ酔い気分で自転車帰宅
(なんとこの寄席は休憩時間にお団子とお酒が出る)
風が気持ちよくて
永遠に自転車に乗っていたい気分でした

そのまま隅田川にどぼん(笑)

9月23日

純情きらり、最終週の予告
えっ、桜子ちゃん死んじゃうの?
(そしてまた冬吾がからむのか(冬吾嫌いなおれ)
というショックを引きずりつつ
今日から「大野隆司と愉快な仲間たち」展
オープニング・パーティに参加

プロ・アマ混合力作揃いで
なかなか素敵な展覧会

よろしければ是非いらしてください

昨日の搬入の帰りと
今日のパーティの帰り
なぜだか
大野隆司さんと駅の階段を
2段飛びで駆け上がる競争をする(笑)
二人ともこうゆうことは負けず嫌い

2回ともほぼ引き分け
いつか必ず決着を付ける(笑)
(50男と40男がなにしてるんだか・・)

9月24日

ストレスのない世界
誰かを信じなくても済む世界
誰も信じなくても
生きていける世界
多分それを目指して今の文明は進んでいく
そういう人は増えていく
そういう気持ちは
人の心の中を少しずつ浸食していく

ストレスのある世界
苦しみのある世界
恐怖にまみれた世界
多分その中に光を見いだすために人は生きていく
そういう人はいなくならない
そういう気持ちはなくならない

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9月25日

すっかり秋
もう
キンモクセイの香りを体験しました?

9月26日

毎年恒例、大野隆司主催ちょうちんクラブの展覧会がもうじきあります
今年は「6歩展」
(去年は5歩展)

今年のテーマは
「はじける」

はじけるのは難しい

魂の解放を妨げるのは
恐怖心
僕の心の中はいろんな恐怖心がぐるぐるしていて
日々それとの戦いで疲れはててしまうのですが
とある本によると
恐怖心は
戦うものでもなく
意思の力で乗り越えるものでもないそうです
(てっきりそうだと思いこんでいたよ)
ただ
見つめるだけ
分析も評価もせず
自分の中の恐怖心を見つめていく

恐怖心という訳のわからないものに
光を当てれば
見えるようになって怖くなくなるということかな
見えないから怖いんだものね

というわけで
その修行のために
今年はマンダラのような絵を描きます(笑)
うまく見つめられるといいな

9月27日

恐怖の根元は「思考」だそうです
よけいなことを考えてばかりいるから
恐怖は増えるばかり

考えるのをやめ
観察者となり
なんの先入観もなく
世界を堪能したい

それが絵にできたら素敵じゃないか

 

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medeski scofield martin & wood /out louder

ギターのジョン・スコフィールドを迎えて
新たなバンドとしてリリースされた新譜

僕の好みから言うと
ちょっとポップすぎるかな
大好きなバンドなので
行く末がちょっと心配

9月28日

最近、地域の子供たちを守るために
行政だかボランティアだかわからないけれど
青いランプのついたパトカーのような車が近所を巡回している
心ない大人たちのせいで子供たちがすくすく育ちにくく
ややもすると
命も落としかねない世の中である
子供たちを守るために
大人達が気を配る
とても正しい
まして奴ら(子供たち)は僕らの年金を払うために
将来きりきり働かなければならない労働力なんだから(笑)
とても正しい

が、しかし

本日
僕がキンモクセイの香りにつられてぶらぶらと散歩をしていたら
ふと背後に気配を感じたのです
振り向いてみると
その青色ランプのパトカーが
ゆっくりと僕に近づき
運転席の中から僕の様子をじっと観察している
確かに
昼間坊主刈りのおっさんが小学校の近くをぶらぶら歩いていれば
不審に思いチェックをしたい気持ちはよくわかる
ニュースを見れば
幼女への性犯罪者はたいてい同世代だ(泣)

でもさ・・

なるべく学校の近くは歩かないようにします

9月29日

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「水面は傷つかない」(リメイク版)

 

夕食に
アルザス風シュークルート
というポトフのような料理を作ろうと思ったのだけど
(初挑戦)
肝心な
ザワークラウト(キャベツの酢漬け)の缶詰が近所に売っていなかった
そんな小じゃれたものは
下町にはないな〜
しかし
ドイツ語というのは、たかが酢漬けでも
音の響きがかっこいい
ザワークラウトってなんか戦闘機の名前みたい

友人からエアメール
「湖にこだまする根性のさけび」という
訳のわからないメッセージしか書いてないので
(「根性」が、「根情」になっているが、これは間違いというよりは造語と解釈したい)
彼女はどこにいるのかわからないのだけれど
彼女の絵の左下のにょろにょろから推測すると
ムーミン村のあるフィンランドであろう

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なんで裸なんだろ

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the vandermark 5 /alchemia

凶暴フリージャズバンド、ヴァンダーマーク5が
ポーランドの「アルケミア」というライブハウスでの5日間の演奏を完全収録
12枚組
(こんなもの出すなよ、迷惑だ(笑)

ものすごいボリューム
午前中ずーっと聞いてたら、疲れて途中で寝込んでしまいました
未だに全部聞けず