かものはし日記
2006年3月号


3月2日

そうそう
そういえば
最近女装しました(笑)
友人宅にディズニーの白雪姫のようなドレスがあって
着てみれば、と言われ
つい着てしまいました
あまり似合わなかったようです
(当たり前)

devid gilmour/on an island

ピンクフロイドのギタリスト、デビッド・ギルモアの22年ぶりのソロアルバムです

プロデュースが元ロキシー・ミュージックのギタリスト、フィル・マンザネラ
ロック界の良心ロバート・ワイアット
フロイドのキーボーティスト、リック・ライトも参加しています

優しいロックおじさん達による
優しいおじさんのための優しいロックミュージックです

ある種の過激さや毒が
古い世界に風穴を開け新たな価値観を見いだしていくのではなく
シンプルで力強い優しさが
今の時代の閉塞感に突破口を切り開いていくのではないかな〜
と思いたい今日この頃であります

3月5日

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テクノロジーというのは
基本的に「便利さ」を追求するがゆえに
人間の生き物としての感覚を鈍感にしていくような気がします
便利さや快適さは
生き物としての人間にはさほど幸せなことじゃないのかもしれない

観念を肥大させるのではなく感覚をとぎすます

未来のテクノロジーが
人の生き物としての感覚をとぎすますためのなにかであってほしい
それが何かはさっぱりわからないのだけれど
そういうものを絵描きとしては追求していきたい

僕は
自然も生き物も大好きだけど
テクノロジーも大好きなのです
とても人間らしいから

いつかテクノロジーと詩の区別がつかなくなればいい
(意味不明)
そう夢想してます

3月6日

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exposure/robert fripp

1979年の作品です(LP持ってたな〜)
10数年ぶりに聞いたのですが
今聞いてもすばらしい
ダリル・ホールが歌うnorth star
ピーター・ハミルが歌うchicago
テリー・ロッシェが歌うexposure
ピーター・ガブリエルが歌うhere comes the flood
が泣けます
こういう情緒が、今のクリムゾンには欠けている

情緒に流されてはいけないけれど
情緒を切り捨てるのはもっといけない

3月8日

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静謐な身体

3月9日

かわいさの背後に潜むもの

なんとなくですけれど

ミッフィーちゃんには、大人に虐待された子供の心
ミッキーマウスには、連続殺人犯のゆがんだ自尊心
キティちゃんには、絶望的な虚無

を感じます

かわいいキャラクターの背後に潜むものはなに?
察するにそれは、

「洗練された被害者意識」

被害者意識が洗練されてどうする
と思ってしまいますが
被害者意識は時代と共に着々と洗練されてきたように思います
実は
人々の心の中に潜む「洗練された被害者意識」を刺激するのが
ヒット商品を生む秘訣なのでは?

「萌え」などもそうかな

生きていればいろんな目に遭うけれど
いつまでも被害者面ではいられない

3月10日

描き手と受け手が被害者意識を共有して
慰め合うような
そんな共依存的な絵は描きたくない
という考えは
あまりにクールすぎるか

お互いの魂に同時に灯がともるような
共振のような
そういう絵が描きたい
自信はないけど(笑)

かわいさってもっと可能性があるものだと思います

3月11日

昼間は、都庁
ARTOKYO展
イラストレータのまつばらあつしさんの参加しているグループ展
他に、赤木悦子さん、中本繁さん(ドリーム仮面)、のりぶぅさんなども参加
まつばらさんとゆっくりお話ができたし
そこで発見したふたりの異常才能画家の作品を堪能できたし
とても楽しかったです
ふたりの異常才能画家は、たぶん仕事として成立させるには
難しいのかもしれませんが
すごいパワーです
こういう方の作品を見ると思うのです
俺って、ほんとにすくすく育って、トラウマないもんな〜
絵描きとしてどうなのよ(笑)

夜は、鳩山会館で公演
文京区音羽の丘にある旧鳩山邸を修復して記念館にしたようです
テレビのナレーションなどで活躍されている北原久仁香さんに誘われて
「語り女たち」と題した
朗読とモダンダンスのパフォーマンス
を観に行ってまいりました
美しい洋館の中で
北原さんの優しいけれどすごみのある朗読に軽やかなモダンダンスが絡む
不思議なコラボレーション
去年の年末も拝見したのですが、相変わらず素敵です
北村薫さん原作のとても幻想的な小説の朗読です
美しい文章が、美しい声でさらに言霊のパワーは増すようです
朗読って、とてもエンターティメント

パフォーマンスの後は、パーティのようなものがあって
北原さん(美人)とプロデューサーの女性(美人)と
少しお話などを
ちょっと緊張しました(笑)

3月12日

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「陰陽猫」

昨日、本屋さんで曼荼羅の塗り絵を見つけました
毎日一枚ずつ塗っていくと楽しいかも

以前
一日一枚曼荼羅を描いて、ネットにアップしようかなと思いましたが
そう簡単に悟りたくないのでやめました(笑)

知識や知恵を追求することは、人間の混乱した努力のひとつだそうですが
観念は足がかりにはなりますね

猫的バランス感覚が陰陽の両極性の根幹にあるのならば
それはそれは素敵な世界になるのでは、と夢想します

「花粉症」

昨日も花粉は多いようでしたが
ほとんど影響はなく
ああ、春ってこんなに気持ちがいいんだ、と思いながら
西新宿の高層ビル街を散歩していました
多少、鼻がぐずぐずしたりしますけど
去年のような猛烈な量でなければなんとか過ごせます
整体師さんが
花粉症は胸椎の緊張から来ているんだよと言われたことを思い出し
首周りのマッサージをしているのも楽な原因かも
お試しあれ

3月13日

先週のオーラの泉で
毎日感謝のお祈りをしているベッキーちゃんのいい子ぶりに
多くの人が感動したせいか
僕の周りの友人達がつぎつぎと
私も感謝のお祈りをはじめました
と言いだし
僕も負けじと密かに
感謝のお祈り
いいことです
感謝は、滞った気持ちの流れをよくしてくれるようです
元気の素です

3月14日

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Live at the Village Vanguard Again! /john coltrane
の中の1曲目が大好き
naima
これは、コルトレーンの最初の妻に捧げられた曲で
このライブでは、この曲のピアノパートを2番目の妻が弾いている
(うう、こういうシチュエーションが大好きだ(笑)
時には、激しく、そして優しく慈しむように弾かれる二番目の妻アリス・コルトレーンのピアノ
愛も情も憎悪も嫉妬も超えて
ある高みに到達したすばらしい演奏です

3月15日

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後期コルトレーンを聞き直す日々
善悪とか愛と憎悪とか、2項対立を乗り越えた音がここにある
対立を乗り越えるのは
思想でも理屈でもなく
感覚なんだ、ということを再認識
磨くべきは知識ではなく感覚

3月16日

友人達にさそわれて
30年ぶりくらいに上野動物園へ
(僕の子供の頃はパンダはいませんでした)
わざわざ人が見ている前で、凛とモデルのように静止する虎
(プロですね、あなたは)
3メートルくらいある巨大ワニ
まったりカピバラ
羊や山羊などに直にさわれるコーナーもあります
圧巻なのはかわうそは行動観察ができるようになっていて
透明な水のチューブの中で泳ぐ姿を間近で観られるのです
かわうそファンとしては感涙
みーちゃん、まーくんという10歳のヨーロッパかわうそ
ああ、かわうその飼育係になりたい

11時に入って、気が付いたら閉園時間
真剣に観ていたらしくあっという間に時間が過ぎてしまいました
やっぱり動物って素敵

しかし
動物園の動物は、たいていつがいで飼育されているようですが
お互いの相性が合わなかったら地獄だよな
とリアルなことを思ったりして(笑)

3月17日

飼育係のおじさんの話によると
かわうそは、魚の頭が大好きだそうで
おなかがいっぱいになってくると
魚の頭だけちょこっと食べて、胴体の方は捨てちゃうのです
ということは
かわうそが頭を食べて、人間が胴体を食べれば
かわうそと人間の共存は可能
ということですね(笑)

3月18日

都電荒川線にゆらゆらと揺られて
イラストレーター田中光さんの個展へ
オープニングパーティでは
田中さんのトラッドフォークの弾き語りがあり
前回のライブより声に深みがあって、感動しちゃいました
最近の友人達の展覧会は
必ず弾き語りのライブがあって
個展をやるときは、絵とは別に何かパフォーマンスをやらないといけない雰囲気になっています
絵描きって
絵が描けるだけじゃダメなんですね(笑)

3月19日

パスタ掃討作戦
パスタを作るたびにパスタがあまり
余っているのを忘れて
パスタを作るときにまた新しいパスタを買うので
パスタがけっこう増えているのに気付きました
(キッチンの棚からパスタがぼろぼろと落ちてきて)
数日前から
毎日パスタです
ソースはトマトベースにして作り置きして
中身を入れ替えて楽しんでます
春だから、タラの芽とか菜の花なんてどうでしょ
(トマトソースには合わないかな)

春の食材はなぜか苦い

3月20日

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wind reader 読風家 風を読む人

北京のチョウチョの羽ばたきが
フロリダのハリケーンの進路を変える

これは「バタフライ効果」と言われ
カオス理論を説明する有名なたとえです

チョウチョのようなわずかな風の動きが、めぐりめぐって
ハリケーンの進路を変える力になる可能性があるということ

風は物理的なものばかりではなく
感情や想念の流れなど
あらゆる次元で流れていて
その流れを感覚で掴むことが
なによりも大切な気がします

風を見極める感覚を身につけるには
心の中には風を起こさない

自分の心の中にむやみな風をおこしてしまうと
外側に流れている風の流れを見誤ることになってしまう

虚心

風を見極めるには
これが一番大切なのかも

WBCの感想でした(笑)
(誤審をしたアメリカの審判のある感情がすべての流れを変えたような気がします)

3月21日

王さんの胴上げが観られて幸せです
僕の永遠のヒーローですから

やれやれ、疲れました
もうシーズンが終わったような気分です(笑)
ゲーム的には韓国戦の3試合がいちばん面白かった
胃の痛くなるような緊張感
野球っていうのは、やる方も観る方も修行なんですか?(笑)
週末はもうパ・リーグ開幕?
どの国も技術的には大差はない
最終的には気持ちでした
今年のシーズンは世界一の気持ちを見せてください

3月22日

誘われてアディエマスのコンサート
渋谷bunkamuraオーチャード・ホール

アディエマスはただの癒し系音楽ではありません
作曲・プロデュースは
なんと元ソフトマシーン(プログレ・ジャズロックバンド)のキーボード、オーボエ奏者カール・ジェンキンス
傑作アルバムsoft machine6から参加、その前はイアン・カーとニュークリアスを結成している
イギリスジャズロック界のこわもて親父
編成は
カザフスタンのフルオーケストラの背後にパーカッション軍団
その後ろには、アディエマスシンガーズのお姉さん達
美しい楽曲、歌声の背後に
アヴァンギャルドな演出が見え隠れし
とても楽しめました
なんてったって
指揮者がカール・ジェンキンス本人
生カールがこんなところで観られるとは、うっとりだ

ソフトマシーン、再結成しないかな〜

3月23日

勧められて毎週観ているアニメ noein
観察することで存在が確定するという量子論的な世界(人間原理宇宙論)をテーマにしたハードな設定のなかで
子供達の日常を描いていく
なかなか良いです
人は
愛されることによって、自らの存在が確定し
愛することによって、誰かの存在を確定させる
誰も愛さず、誰にも愛されなかったら
存在しないのと同じこと
愛がなくなれば世界も自分も消える
量子論って、愛を論理的に説明しているのね(笑)

3月24日

多分愛聴盤にはなりそうもない新譜3枚

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tortoise、bonie prince billy/ brave & bold

tortoiseは、ジャムバンド系でしょうか?
アヴァンギャルドな割に、結構ゆるい(だるい?)感じが気に入っています
ウイル・オールダム(誰?)という人との夢のコラボだそうです
全部カバー曲


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jane birkin/fictions

いくつになってもjane birkin
可愛いです
井上陽水がゲスト参加

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cassandra wilson/thunderbird

2年ぶり
彼女の男声は相変わらず素敵なのですが
欲を言えばnew moon daughterの頃のようなアヴァンギャルドに徹して欲しい
最近のはちとぬるい

3月25日

これは愛聴盤になりそうな新譜2枚

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bill bruford earthworks underground orchestra

キングクリムゾンのドラマー、ビル・ブラッフォードのジャズプロジェクトearthworksの
ビッグバンドバージョン
これは楽しいです
ビルは陰気で暴力的なクリムゾンに長い間在籍していましたが
本当は根(音)が明るい人なのです

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crimson jazz trio/songbook 1

キングクリムゾンの曲をジャズ風にアレンジ
元クリムゾンのドラマー イアン・ウオーレスが中心となって結成されたようです
ピアノトリオなのでおしゃれな仕上がりなのかなと思っていたら
結構アグレッシブで、なかなか聞かせます

3月26日

炭酸ボンベ(大好き)を飲みつつ
菜の花のパスタを頂きながら

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Laswell & Hoppy Kamiyama/A Navel City-No One Is There
を聞く

これはすばらしい
久々に大当たり
ホッピー神山先生、そしてビル・ラズウェルと仙波清彦の超強力リズムセクションが放つ
パーフェクトなフリージャズ
僕が音楽家だったら
毎日こういう音を鳴らして生きていたい
いいな〜

3月27日

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this heat/made available john peel sessions

1977年のイギリスBBCでの貴重なライブ音源

来月にはCD6枚組のボックスセットがでるそうです
いつ聞いても先鋭的な驚異のバンド
僕の中のアヴァンギャルド魂に火がつきます

3月30日

1.逆巻く波とひらめく空が
ガンバと仲間を打ちのめす
旅はもうこれまでだ
冒険を打ち切ろう
けれど
ガンバは、指さした
小さな島を

カモメは歌う
悪魔の歌を
帆柱に朝日が昇る
けれど夕日は
おまえと仲間のドクロを写す

2.轟く雲は怒濤の海に
ガンバと仲間を転がした
これが、ほら、始まりだ
何かある、何がある?
仲間の胸は高鳴った
光はそこに

カモメは歌う
歓喜の歌を
梶先に朝日は輝く
そうして夕日は
おまえと仲間の勝利を祝う

出崎・杉野コンビの傑作アニメ「ガンバの冒険」のエンディング曲です。
テレビ放映では、1番で終わってしまい、なにやらダークな歌でしたが、2番まで通して聞くとすばらしい詩です


1番の「カモメは歌う、悪魔の歌を」の悪魔は、自分が設定した限界のようです
(5年前の日記にも書きましたが)
映画のような大冒険をしなくても、新しい料理に挑戦するとか、日常の中のささやかな冒険は大事です
それをしないと心が腐ってしまう

そうそう、愛ある結婚も冒険なのでした(笑)
(参考 「愛ある結婚は冒険である」ジョーゼフ・キャンベル著) 

3月31日

昨日は海外組抜きでの
サッカー日本代表エクアドル戦
なかなか力強いものを感じました
ワールドカップまで2ヶ月ちょっと
ポイントは
いかに海外組を使わないで戦うかでしょう

先週パ・リーグが開幕し
今日はセ・リーグ開幕
WBCの優勝のせいか、選手のきびきびしていて観ていて気持ちがいいです
巨人も
10数年ぶりにまともな打線のチームになり
普通に楽しめます(笑)
ああ、これが野球だよな〜、っていう感じ
4番の韓国の英雄スンちゃんを軸に機動力を生かした打線

let the power fall

ようやく野球も小さなシステムが機能するようになりました
これがきっかけとなって
能動的で小さなシステムが機能する社会になって欲しいものです

しかし
なんで、日テレの開幕ジャイアンツ戦の解説が
星野仙一と山本浩二なの?
びっくり