かものはし日記

2005年3月号


3月4日

風邪を引いて2週間
熱は1週間前に下がったけれど
なかなか本調子にはならないな

東京は雪

いままで自分の守護者として機能していた観念も
賞味期限が切れれば
自分を自分の「世界」に閉じこめる看守になってしまいます

頭の中の賞味期限切れの観念
一斉処分!

今まで正しいと思いこんでいたけれど
近頃なんとなく違うんじゃない?というのはもう賞味期限が切れてます
賞味期限の切れた観念は葛藤(悩み)の元
もう葛藤しながら生きるのはイヤなのさ
疲れるから(笑)

新しい鮮度のある観念の中で
わくわくしたいよねえ

3月6日

最近夕食は毎日海鮮どんぶり
近所の魚屋さんのお刺身がおいしくて安いのがその理由だけど
なぜだか
最近これしか食べたくなかったのです

3月7日

おばあさんが道路の真ん中をふらふら歩いていて
後ろから車がきていたので
「おばあさん、危ないですよ」
と言うところを、なぜだか
「お嬢さん、危ないですよ」
と言ってしまいました

俺ってほんと口先だけ(笑)
いんちきフェミニストですから
(昔誰かに言われた覚えあり)

3月8日

日本のように社会が成熟しちゃうと
それはある意味「虚無」と同じ
すべてのものごとが適度に飽和し、その泡の中でぬくぬくと過ごす
かつては
さわやかに虚無でありたいと
カッコつけていたけれど
ほんとは
そういうふうに世界をもっともらしく分析しちゃう左脳がえらそうにしゃしゃり出てこないくらい何かに純粋に没頭したい
没頭している瞬間が欲しい
それがいちばんの欲望です

泥臭く生きたいな〜
(どうも育ちがいいせいか、品がいいんだよね、俺って(笑) そこが弱点)

3月11日

フリージャズ系美人サックスプレーヤーのK子さんと
神楽坂でお食事
音楽についての貴重なお話をたくさん聞かせてくださいました
自分である枠を作り
その中で自由を得るという行為は
絵を描くこととも共通しているようです
枠の作り方が
その人らしさ
その人の生きるということを楽しむためのプロデュース能力
彼女の音楽
話し方
笑顔
そして寂しさなど
すべてが彼女らしく自然体で素敵でした
大人の女性ですねえ

リーダーアルバムを出されるときは
是非ジャケット絵を描かせてね

3月13日

確定申告も終わり
長電話友人と久しぶりに長電話
仕事もいい感じで出来上がり
コンビニでクラシック音楽少女マンガ「のだめカンタービレ」を立ち読みし、黒木君の復活を喜ぶ
テレ朝でインソムニア見て、アルパチーノは、やっぱりかっこいいじゃねえか、(声が野沢那智でなかったね)と思いつつ
何気なくチャンネルをNHK教育にひねったら
敬愛するモダンダンサー勅使河原三郎さんのインタビュー
さらに彼の振り付けと演出をした作品「kazahana」が放映され有頂天

ずいぶん影響を受けた方です

彼の影響で、宮沢賢治の原体剣舞連の絵本を描き上げ
インダストリアル系の音楽を知り
現代音楽家のアルヴォ・ペルトを知りました
振り付け演出だけでなく、音楽の選曲もすばらしいのです
久しぶりに観た彼の作品は
さらに美しく力強く、そして限りなく繊細
流れる身体、リズミカルに脱力したトリッキーな動きは相変わらず切れがよい(はじめて日本人以外のダンサーを起用しているようです)

ああ、こーゆう身体が描きたい

インタビューの中で彼が
自分の作品がどこへいくのか、
作品の方向性の予感と期待感について話しておりました

作品を作る上での方向性の予感というものは
とても大切ですよね
この感覚がないと一歩も動けない
予感が期待感になるとしめたもので
そこから先はうれしくてしょうがない
自由を獲得したっていう感じでしょうか

そこまで持って行く段取りが
とても大変なんだけどね

3月14日

確かに未知との遭遇で
音楽を使って宇宙人とコンタクトをとるシチュエーションはすばらしかった
でもAIとか
気持ち悪い映画も撮るし
スピルバーグは僕にとって
それほど重要な監督ではないのだけど
昨日の夜、夢に出てきて
こう言うのだ
お前の絵は踏み込みが足りない
腹が立って目が覚めたが(笑)
でも彼の助言を
真摯に受け止めたいと思ったのでした

宅ファイル便って
月曜日は混むのかな
なかなかアクセスできず
仕方がないので、自宅のFTPサーバから
先方にFTPで
ダウンロードしてもらう
宅ファイル便のようなサーバが
うちでも構築できるのいいんだけど

3月15日

昨日は、ロック師匠から電話があり
「どう、次のセッションの課題曲スターレス聞いてる?」
と聞かれ
「えへへ」
と答える
前半の歌のあるパートは8ビートのスローなロックなので
なんとかなるな〜と思っていたら
師匠に
「後半もやろうね〜」と言われ
「え、後半は変拍子で、さらにもう一度リズムが変わるんですよ
あれはいったい何拍子なんですか?」
と聞いたら
「俺はギタリストだから、ドラムのことはわかんないな〜」って
師匠おおお(泣)

先ほどからスターレスの入っているクリムゾンのアルバム
「レッド」を何度も聞いております
やはり、聞けば聞くほど傑作アルバム
何度聞いてもうっとりしちゃって
ドラムパートの解析どころではありませんです(泣)

上野の税務署で
確定申告の用紙を提出し
(きれいな税理士のおねえさんのいる列に並ぶ)
そのまま自転車で
銀座で開催されている弟のグループ展へ
(めんどくさいんだけど、兄としては、弟に愛のある関心を示さないとね(笑))
自転車で行く銀座は思ったより近かった
(うちから8キロほど)
いざというときのためにGPSを持っていたのだけど
うちから銀座まで一本道(昭和通りを南下)なので迷いようもなく無事到着
愛車BD−1スペリオを弟に見せびらかしたかったのに
接客に忙しくて相手にされず(笑)
予想外の座敷の宴会に出席することになり、
穴の開いた靴下をはいていて、恥ずかしい思いをした
という話をする(笑)
絵の先生もしているので、教え子が次々とやってきて、ゆっくり話ができずちょっと残念
でも元気そうでなによりでした

今日は珍しく忙しい
銀座から帰宅後、ガリガリ絵を描いて
夜は東武東上線に乗って新越谷へ
(どこだ、ここは?埼玉県?)
いつも11月のグループ展でお世話になっている
ちょうちんクラブ(不良妻の会(うそ)代表のいわきさんのアコーディオンライブ

アコとヴァイオリンのデュオ

プロの声優でもあるちょうちんクラブきょうさんは、朗読とリコーダーで参加
(彼女の朗読は素敵です
今度俺の枕元で本を読んでくれ(笑)

アコのいわきさんは、普段は周りに気を遣いすぎる優しい人
それゆえ
他人とからむと相手に気を遣いながらのややおとなしめの演奏になってしまうのですが
ひとたびソロになると
いきなり顔つきがりりしくなって、パワー全開

わがまま全開!

さりげなく人に気を遣う透明さも魅力ですが
わがままも
やっぱり人の魅力の一つなんだよね

女性に
わがままなことをされると
むかつくけど、うっとりもしちゃうしな〜
わがままを鑑賞するには
ふところが深くないとね〜
課題だね〜
人生の

3月16日

ステレオミニジャックの延長コードを買ってきて
お風呂で半身浴をしながらジャズを聞く
なかなか良し

3月18日

スズキイチローカルテット in なってるハウス
野球選手と同姓同名のスズキイチローさんのECM系ジャズバンド
スズキイチロウ(g) 小森慶子(sax,bcl) 磯部ヒデキ(b) 金子清貴 (ds)
今日はライブレコーディングのようで
客の僕らも緊張します
(拍手を上手に叩くとかね(笑)
ライブの良さは必死さです
悪意も善意も関係ない
2元論を超えたところに導く必死さ
そういう場所に
存在するものを
人の本性だと信じたい

3月23日

やはり必死さというのがキーワードです
体をこわすまで一生懸命というわけではなく
バランスの取れた必死さ
その時点で
ベストを尽くす
必死さは自分の中の悪意から解放してくれるような気がします
逆に必死じゃないと
悪意という病にかかってしまう

3月27日

今月号の「のだめカンタービレ」

協奏曲の中に挿入される演奏者の即興部分をカデンツァと呼ぶそうです
クラシックにも即興というのはあるのですね

などという話をとある方にふったら
カデンツァは
ある過去の演奏者の曲がすばらしくそれがスタンダードになっていて
それを演奏することが多い、ということらしいです

3月28日

「役不足」という言葉は
本来、その人の力量に比べて、役目が軽すぎることを言うのですが
最近テレビドラマなどでよく見かける「役不足」は
その人の力量に比べて、役目が重すぎるという、まったく逆の意味に使われているようです
「おめーでは、役不足なんだよお」っていう感じ

君にはこの仕事は役不足だよね

ていう台詞は、ほめ言葉なのはずなのですが
受け取る人によっては、逆の意味で解釈して
むっとされることがあります

されてしまいました(泣)

言葉は生き物ですから、「役不足」の意味は次第に後者に移行していくのでしょう
今はその過渡期です
過渡期には絶対その言霊は使わない
と心に誓いました(泣)
同様に「情けは人のためならず」も今は全く逆の意味で使われていますよね
言葉って不思議です

特に日本語は流動的で
生命力にあふれている言霊です
丁寧にそして大胆に使いたいものです

3月30日

「じっと我慢してればいいこともあるさ」
というのは、今日のバーレーン戦での教訓
オウンゴールでも勝ちは勝ち
我慢のサッカーでしたね
しかし
ジーコは戦略がないよね
本当に俊介と中田は共存共栄しているんでしょうか
アウエーのイラン戦じゃびびって、4バックにしやがったし
度胸もない
心の奥底では
バーレーン戦に引き分けるか負けて
更迭ジーコ((C)やまもとしゅうせい)されちゃえば良かったのに
と思っていたりして
トルシエが懐かしいな〜
フラット3楽しかったな〜

あとちょっとの勇気と
あとちょっとのねばり強さ
なにをするにも、この「ちょっと」が大事だよね〜
ちょっとなのに
結果は大きく変わります

いいことはどんどんまねすると
ある日、誰もまねできない領域に達するそうです
意外とそうかもしれない


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