かものはし日記2004年11月号


11月1日

そろそろ展覧会も近づいてきました
いっぱい絵をかかなくちゃ

光の涙

11月2日

今日は酉の市
国際通り沿いの歩道をずらりと露店が並ぶ
この日のためだけにここの歩道はむやみに広いのだろうか?
多分そうでしょう
ずらっと並んだ露店にうっとり
(三分の一はたこ焼き屋とやきそば屋)

左手に猫型たましい

おじいちゃんのかわいい孫と近所のやんちゃなガキじゃ
はなから勝負がついていて残念でした
でも新球団が仙台にできたのはやんちゃなガキのおかげです
今後
理想的な地方分権は球団誘致が鍵になりそうな気がします
そう考えれば彼はなかなか素敵な提案をしたと思います
新球団監督の田尾さん、がんばって欲しいな〜

11月3日

政治は政治家になりたくない人にやらせるのが一番!
そもそも政治家になりたいという精神性自体が危険なわけで
それが民主主義の最大の欠陥のような気がします
政治家になりたくない人の方が
嫌々ながらも
一生懸命責任を果たせるような
(子供の頃、クラスのみんなに無理矢理推薦されて学級委員にさせられた人も多いはず)
政策の発想力も状況に対する対処も政治的な志向が弱い分、柔軟に出来るような気がします
徴兵制ならぬ
徴政治家制
いきなり家に赤紙がきて、今日からあなたも政治家(笑)

11月4日

妖怪猫娘と天使猫

11月5日

毎日黙々と絵を描いていると
自分はこの部屋の地縛霊なんじゃないかって気がしてくる(笑)
すでにもう死んでいて
この部屋には別の人が住んでいるんだけど
それに気がつかず延々と絵を描いている
ああ、うっとり(笑)

風にただよう翼の遺伝子

11月6日

天使スーツ(部分,途中経過)

11月7日

電話の加入権料が撤廃されるそうですね
20年前
はじめての原稿料で電話をひきました
(電話がない頃は編集の人から仕事依頼のはがきが来て
公衆電話で打ち合わせをしました)
72000円をにぎりしめて
後藤と電話局に行った頃が懐かしい
手軽に電話がひけちゃうと
そういうドラマもなくなっちゃってちょっと寂しいよね

11月8日

昼間は
新宿世界堂に展覧会のための額縁を買いに行く
たくさん種類があるとどれを選んでいいのかわからなくなっちゃう
というか
額って、ろくなデザインがないんだよね
(さらに、高い額縁に限って過剰装飾で下品)

夜は
長電話友人と横浜へ
(長電話友人とはしょっちゅう長電話をしているのだが
実際会うのは1年半ぶり
あいかわらずの男前)
横浜の南万騎が原に友人夫婦が
和食のお店を開いたので
展覧会前にもかかわらず
お祝いがてら飲みに行ってしまった
素敵な雰囲気のお店
(もともとお好み屋さんだったところを二人で二ヶ月かけて改造したそうです)
料理もおしゃれでとてもおいしい
お酒もこだわりの品ばかり
「獺祭」があったのにはびっくり
「魔王」っていうのもある
おすすめです

住所は以下の通り

「usaru.」

〒241-0823 横浜市旭区善部町108-17 2F

電話 045-365-0707(FAX同)

営業 12:00〜15:00 ランチ
      18:00〜23:00  ディナー

定休 水曜

最寄り 相鉄いずみ野線・南万騎が原駅

ちなみにお店のショップカードのロゴとキャラは僕が描きました
カードが出来次第アップします

11月9日

成層の塔

11月10日

4歩展の準備はほぼ終わりました
展示数は小品を15点
ほぼ半裸な女性たち(笑)
(展覧会の性格上全裸はまずいと思ってパンツをはかせた子もいます)
去年と同様絵の販売もいたします
今年は背景がないか背景べた塗りなので1万円均一セール

23日からはじまるtwinkle twinkle展も
参加者全員絵を販売する予定です
そちらの方も是非よろしくお願いいたしますね

11月11日

先週からのどが痛くて
ちっともよくならないんだけど
明日は元気で展覧会したい
(首にタオルを巻いて寝るのだ)

風族

過去も未来も何もしてくれない
生命力をくれるのは現在だけ

11月12日

4歩展初日
朝から雨でしたが
来てくださった皆様ありがとうございます
うれしいです

ごちゃごちゃしているうちに
お昼を食べ損ね
4時頃ようやく時間が空いたのだけど
すでにどの店もランチタイムは終わっていて
結局開いてた店は大戸屋のみ
せっかくおしゃれな街神楽坂まで来て大戸屋?
でも大戸屋っておいしいよね
テーブルにごま塩のふりかけが常備してあるのがすばらしい(笑)
ラテン系歌手の友人とその元彼(フォトグラファー)と同席
元彼はなかなかのいい男で
別れちゃうのもったいないじゃん、と彼女に言ったら
元彼が
今の彼氏はもっといい男です
と言ってました
なんだかよくわからんが面白い関係(笑)
ま、でも
別れても展覧会では合作をしていて
元彼の美しい写真と彼女の詩のコラボレーションはとても素敵
男と女
いろんな距離感があります
楽しいねえ(笑)

11月13日

今日も来てくださった方々ありがとうございます
久しぶりの方々にお会いできるのは
展覧会ならでは。
同窓会に近いかな

世界の源の自転車

11月14日

ライブあり、人形劇あり、紙芝居ありの4歩展が終わりました
来てくださった皆様、参加者の皆様
ありがとうございました
参加者の皆さんのパワーには頭が下がる思いです
女性は元気ですね〜
(40人近い参加者の中、男は4人)
また来年〜
今度は5歩展


次は23日からTwinkle,Twinkle展です
グループ展の準備って学生時代の文化祭みたいで楽しいんだよね
絵描きでよかった(笑)

11月15日

数日前に木枯らし1号が吹き
ようやく体の芯が引き締まってきた感じがします
虎落笛(もがりぶえ)というのをご存じでしょうか
秋が深くなるにつれ季節風が強くなってきます
風が細い隙間を通ると「ぴゅー」とか「ひゅー」とかと鳴りますよね
それを虎落笛と言うそうです

垣根の垣根の 曲がり角
たき火だたき火だ 落葉たき
あたろうか あたろうよ
北風ピープー ふいている

という有名な童謡「たき火」の中の
北風ピープーというのは虎落笛だと思われます
気象学的に言うと
虎落笛は風速10メートル前後で発生し
その中でのたき火は非常に危険だそうです
って、風情のない話だよね(笑)

深い深い空の底

11月16日

作品のタイトルを考えるのは結構大変です
絵をじーっと見つめて、言葉が思い浮かぶのを待つのだけど
作品にあんまり近づきすぎず、遠くならず
絵とタイトルとの間に小さい空間のようなものが出来るのが理想
その空間を観る人がさわってくれれば
作品は完成する
(出来が「いい」、「悪い」は別よ(笑)

天使というリハーサル

11月17日

マイケル・ムーア監督の「華氏911」をDVDで観ながらお絵かき
この映画、ほとんどしゃべっているだけなので
画面を観てなくても大丈夫
現実的には、すでにブッシュが再選しちゃっているので
盛り上がりに欠けるけど
その分切なさはひとしお(笑)
(ああ、4年前にゴアさんが当選してれば・・)
ブッシュの日本語吹き替えが
棒読みっぽく、わざと馬鹿っぽく吹き替えているのが笑える
イラクに送られた米軍の兵士の
「人の命を奪うことで、自分の魂が少しずつ死んでいくんだ
魂が死ななくちゃ人は殺せない」
という台詞が印象的
戦争は勝利するためにあるのではなく
継続するためにある
階級社会は貧困と無知を土台に成り立っている
貧困層の人たちが仕事がないので仕方なく兵士となり
一部の特権階級の人たちの自由のために戦わされているという構造
これは今に始まったことではなく
昔からそうらしい
かつて日本は一億総中流と言われていたけれど
今思えば理想的だったのかもしれない
だんだんとアメリカのような階級社会に近づいている
だんだんと自衛隊も軍隊っぽくなりつつある
地球の最高権力者は本当はテロリストでした、というオチにはがっかりするし
その資金援助を日本がやっていると思うと、もう・・
展覧会の前に観る映画じゃありませんでした(笑)
とほほ

11月18日

ダウンしていた自宅サーバを復活させました
相変わらずかも日記のイラスト部分だけのページ
電源回路の発振コイルが、ちょっとうるさかったので
電源を落としていたのだけれど
置き場所をちょっと変えてみたりして、いろいろ試しています
コイルを変えなきゃだめかな

11月19日

できあがった何枚かのイラストを額装して
部屋の中で並べてみる
自分の作品を観て
うっとりするほどナルシストじゃない自分が残念ではあるけど(笑)
どの作品も描いた時の気持ちが焼き付いていて
みんな愛おしい
切ない顔をした女の子の絵を見て
あーこの頃は、どうしてこんなに切なかったんだっけ?とかね
(どうせ、テレビのドラマか何かで切なくなっていたんだろうけど(笑)

11月20日

偶然、馬頭琴の生演奏を聞いたのです
馬頭琴とはモンゴルの擦弦楽器で
弦に馬のしっぽが使われ
ネックに馬の頭の彫刻があしらわれた美しい楽器です
僕は演奏者のななめうしろの
ちょうど彼女の弦を弾く右手がよく見える位置にいて
演奏中の彼女の弦を弾くときの手首の返しをうっとりと眺めておりました
曲は馬頭琴の定番らしい
美しい雄大なモンゴルの平原のようなイントロから
ぱっかぱっかと馬が駆け抜けるような力強いリズムへと変化していきます
大地と馬と人の音楽
馬がまるごと変化したような楽器
彼女は馬頭琴の持ち方を僕にレクチャーしてくれて
ちょっと弾かせてくださいました
両足でまるで馬に乗るように楽器の共鳴体を抱え込む
その姿だけはとても様になっていると言われました(笑)
やっぱおれってモンゴル系なんだよな

11月21日

展覧会の絵の最終チェック
細かいところを直していたら
どつぼにはまる(笑)
絵はどこで終わらせるかというのも難しいのです
先日版画家の大野さんにそういう話をしたら
版画は版を彫って絵の具を付けて刷り上げれば
そこで終わるんだよね
って、言っておられました
修正しようがないですからね
木版画は一発勝負
潔い画材です
絵というのは、作者の性格がもろに出ますが
画材を選ぶ時点で
もうそこで性格が出ているわけですね

11月22日

搬入!
皆さん力作揃いで楽しみです
高田明美さんは風のような銅版画に加えて自作のジュエリーが充実
高田美苗さんは魂の深層まで探査機をおろしたような深みのある銅版画
北田稔さんは動物のかわいいイラスト(水彩かと思っていたら。岩絵の具だそうです)
と初挑戦の銅版画
後藤は、いつもの女性の絵と夢枕漠さんの小説からインスパイアされたという
仏教的な絵が並んでいました
仏教的と言えば僕も千手観音を描きました
(絵が大きすぎてスキャンできず、ここにアップできませんでしたが)
是非見に来てくださいね

11月23日

展覧会初日
お天気に恵まれて良好なスタート
来てくださった皆様、ありがとうございました

宴会初日(笑)
ひさびさにけっこうな量のお酒を飲みました
美人イラストレータのT嬢のピッチがあまりに早いので
ついつられてしまったようです(笑)

11月24日

朝起きたら風邪が治っていました
これは深酒のおかげ?

旧交を温めたり
新しい人と出会ったり
展覧会はとても楽しい
僕が絵を描くのは、誰かに会いたいから
僕の周りの友人たちは僕が絵を描かなかったら会わなかった人がほとんどです
誰かに会うために絵を描く
絵は僕にとっては一番大事なコミュニケーションの手段です

11月25日

イラストレータ志望の青年と飲む
彼は自分が絵を描いていることを9年付き合っている彼女に言っていないらしいのです
俺が言ってやるよ、と無責任なことを言ったりして(笑)
男と女の間に秘密はつきもの
秘密こそ男女をつなげる接着剤かも

11月26日

美苗ちゃんと当番
今日はあまり来客がなくて暇
ふたりで引きこもり(ヒッキーと言うそうです)自慢をして過ごす(笑)
1週間誰とも口をきかなくても全然平気とかね
お笑い番組を一人で観て一人で大声で笑ってるとか
引きこもりって素敵(笑)

帰りの電車の中で
酔っぱらいどおしが僕の目の前で大げんか
お酒が入っているせいか
パンチに腰が入らない
スローモーションのようで面白い
ころころと玉のように取っ組み合った二人が車内を転がる
駅に着いて扉が開くと
喧嘩玉はそのままホームへと転がり出ていった
ピンボールみたい(笑)

11月27日

大学の先輩にひさしぶりに会う
卒業して、もう20年近いのだけど
会ってしまうと、はるか彼方の学生時代も昨日のような感覚
気持ちが学生時代にもどるのか
それとも人として全く成長していないのか
今日は同輩の友人も来てくれて同窓会のようでした

11月28日

先日知り合った馬頭琴奏者のおねーさんが
展覧会に来てくださって音楽話
楽器を演奏するということは野球のスイングと一緒で
軸がぶれてはいけない
腰がしっかり入ってなくてはいけない
ということ
絵を描くというのもそういうことなのかもね
しっかり重力を感じるから飛翔がある

加藤さんて素直だよね〜
と僕の絵を見て版画家の大野さんが一言
そうか〜
俺って屈折してないのか〜
素直なのか〜
すくすく育っちゃったものなー
それって絵描きとして良いことなのか?
いや360度屈折していて
一回転しているので素直に見えるだけなんですけど、と言ってみる
320度くらいで止まれば良かったのにね
とニコニコ言われてしまった(笑)

6年間中国に留学していた友人と久々に再会
沖縄料理店で
チャンプルーをつつきながら6年間の空白を埋める
あたしが中国に行っている間に
結婚して離婚して
何もなかったのと一緒じゃないですか〜と笑われちゃったりして

11月29日

グループ展最終日
来てくださった皆様ありがとうございました
久しぶりの人も
初めての人も
お会いできてとてもうれしかったです

4歩展あたりからここ数日間たくさんの絵描きの方々とお会いしたのですが
けっこう出てきた二つの話題
日本と韓国の関係を良くしたヨン様は偉い
(もちろんSMAPのくさなぎくんも)
新札の野口英世と樋口一葉の絵がのっぺりしていてヘタ
絵に厳しく
世界平和に敏感
絵描きらしい見解ですな

11月30日

タイトルイラストを変えました
今回のグループ展のメンバーの
高田明美さん、美苗さん姉妹が
気に入ってくださった「やるき充電中」です
この絵は4歩展でSさんにもらわれていきました
コンピュータ関係で知的な優しい感じの方でしたので
僕の娘は彼の元で幸せに暮らしていくことでしょう(笑)


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