かものはし日記2004年2月号


2月1日

下を向いて歩くのは
落ち込んでいるからではなく
重力の出所を再確認するため
大地をしっかり確認して
ふたたび
頭を上げて前を向いて歩く

ジェット・リー主演HERO英雄をビデオで観る
過剰な様式美と重力を感じさせないワイヤーアクション(グリーン・ディスティニーよりはまし)
にはうんざりだけど
(映画は最終的にはアニメをめざしているの?)
チャン・ツイィーはかわいい
怒った顔が素敵
話は悪くなかった
剣と書の最高境地が同じ、と言うところがいい

2月2日

なぜか朝食は湯豆腐
もう一日が終わった気分(笑)

人はできないことは望まない
なにかをしたいと思うのは
その人がそれを成し遂げる力を内在しているから

2月3日

数日前からガッシュの黒の絵の具が見あたらない
あんな大きいものがどこにいっちゃたんだろう

「捜し物はなんですか〜」とか歌いながら
机の下のゴミ箱のゴミをゴミ袋に移していたら
その中から出てきました
捜し物というのは
絶対あり得ない場所から見つかるものです
部屋に見えない誰かがいて
いたずらしているとしか思えない(笑)

野良猫が光に向かって吠えるように

自分の中である枠をきめ
その中であがき続け
ある時
ふと
その枠の中から
少しはみ出してしまう瞬間があります
実はそれが実感というものであり
いちばんの快感であり
それを自由といい
生命力ともいうのでしょう
設定した枠がゆるいと
その中で獲得した自由もゆるいものになってしまうし
だからといって
枠がきつすぎると
身動きがとれなくなってしまい
自由を獲得できなくなってしまう
枠の決め方が
その人のデザインセンスであり
枠からのはみ出し具合が
その人の生命力
そういう自由を探求しようとすることを
欲望といい
それゆえに人は生きていられるのでしょうね
枠があってこその自由
枠のない完全な自由は
成仏といいます
生きている人間には関係ありません(笑)

2月4日

昨日から
時代劇「剣客商売」が再開してちょっとうれしい
なんと
ピンクフロイドのTIMEという曲が
BGMに使われていてびっくり
(時代劇には合わないだろ)
最近は映画ミニミニ大作戦のメインテーマ音楽に
ピンクフロイドのマネーが使われたりしてちょっとブームか?
あとはキムタクのドラマにでも使われれば
クイーンのように
ブームも確実なものとなるであろう(笑)
子供の頃から
たくさんの音楽を聴いてきたけれど
やっぱりピンクフロイドがいちばん好きさ
だって
自分のお小遣いで最初に買ったレコードだからね
(不思議なジャケットデザインに魅せられて訳もわからず買ってしまった)
ちなみに
自分のお小遣いで最初に買ったレコード(CD)が何かで
その後の人生が決まります(笑)

異常な状態を排除して
正常な状態にするより
異常な状態の中で
正常な状態を保つ方が
生物的に正しいような気がする
組織というかシステムというものが下す判断というのは
たいてい異常なものです
だから
個人は
その中でまっとうな行動をとるしかない
良い仕事をしてきてください

毎朝、夢に出てきた人に電話をかける

2月5日

最近はちょっと懐古趣味
ナイアシンというアルバムは
96年発表なのだが
内容は70年代のプログレ
ジャズの人たちがELPをやっています(笑)
ハモンドB3のオルガンの音色は
僕らの年代だと、血が騒いじゃうのだ
ドラムはデニス・チェンバース
あとは
BAUHAUS(バウハウス)
ピーター・マーフィーのデヴィッド・ボウイのような声が好きでした
この人もパティ・スミスのボーカルのように
せっぱ詰まった感じがいい
ジャケットもかっこよかった
80年代前半
ぼくはノイズ系として聞いていたのだけれど
多分New Wave系
下の絵は僕のイメージするBAUHAUS

2月6日

殺伐とした風景が遠い未来を感じさせるような
千住大橋から
隅田川を下るタグボートを眺めるのが好きです
ぼんぼんぼんという音がする
ボートはたいてい3艘連なり
お互いがロープでつながれていて
それぞれのボートの船頭さんはつながった船たちが蛇行しないように上手にコントロールしながら
大量の家庭用のゴミ袋を運んでいます
ご苦労様です

ひとりっこ言

弱気退散!

2月7日

きのうは珍しく夜更かしをして
タモリ倶楽部
民族音楽の楽器をコレクションしているおじさんが登場
あと4つで世界中のすべての楽器がそろうそうな
持っているすべての楽器をひととおり演奏できるのがすごいというかうらやましい
世界中の楽器をながめていると
ひとつひとつの楽器が
一冊のその国の国語の辞書と同じくらいの重みを宿しているように見える
言葉と同様、文化の基礎をになう音楽
世界中の音楽が好きになりたい

元妻からふきのとうの佃煮をいただいたので
今日は春らしい夕食
ふきのとう、タラの芽、菜の花
春の食材は天ぷらにするとおいしい
そこはかとなくほろ苦いところが大人の味だねえ
人生をかみしめる春(笑)

雲の上を滑走する

2月8日

後藤のページを10点追加しました
観てね

U23日本対イラン戦
平山の綺麗なゴールにうっとり
イランのフリーキックもすばらしい
良い試合でした

頸動脈の音楽

地面の脈をとるダンス

2月9日

仕事で渋谷へ
久々の電車
僕の真横で
サラリーマンがワイシャツの袖をまくり上げてつり革で懸垂をやってました
大事な商談の前の気合い入れかも
まわりも気にせず
一生懸命(笑)

狼と少女のたましい

2月10日

きのうはちょっとへこんだことがあって
あまり眠れずというか
自分の思っている以上のショックで眠りがものすごく深かったのか
今朝はとても早起き
なにがあってもいやがらせのように朝は来る(笑)
いや「救いのように」だな

あなただけに見えない猫が
あなただけを見守っている

2月11日

大いなる昔に
「言葉の使い方」という本があったそうです
その本は動物たちも読むことが可能でした
その本の最初の方に
言葉を使う上での最重要注意事項があって
その内容は
「言葉を使って自分自身を傷つけない」ということでした
たいていの動物たちはその注意事項を守っているようですが
人間だけが
どうもうまく守れていないようです

シエスタ(午後のプチ心中)

日本U23対ロシアA代表
闘莉王のごり押しが素敵
泥臭さも大事です
俺も(笑)

2月12日

牛丼が無くなっちゃう報道を観ながら
ふと
あるお坊さんが
食べ物はちゃんと感謝していただけば
食べ物の中に含まれてしまった毒(化学物質など)を
最小限に抑えてくれる
ということを言っていたのを思い出しました
食べ物は料理されても命に変わりはないのですから
そういうこともあるかもしれない

青空に常時接続

日本代表対イラク代表
11年前のドーハの悲劇
ハーフタイムのとき
フセインの息子のウダイに、負けたら拷問すると脅されて
必死で同点に追いついたという
今だからいえるエピソードを聞いて
ああ、あの時日本は勝たなくてよかったね、と思ってしまいました
何かとつながりが深いイラク
イラクとは深い縁を感じます
おたがいがいいパートナーになれるように支援できるといいな
試合は
その想いとは別にあんまりぴりっとしませんでしたが

2月13日

数日前
アンジェリーナ・ジョリー見たさに
トゥーム・レイダー2をビデオで観てしまったのですが
内容はといえば
パンドラの箱は実在したというつまらん話でした
パンドラの箱というのはなんのメタファーなのでしょう
僕は未来を予想する力なのだと思います
人は未来を予想する力がある故に
未来に絶望したり恐怖したりするわけです
そして
その箱の底の方にある希望にすがる
その力が強すぎる故
今を大事に生きられないということかもしれません
僕のうちも
箱は開きっぱなしですな(笑)

森のくまさん お嬢さん落とし物ですよ

動物を描いていて思うことは
野生の肉食動物って毛皮があるからもこもこしているように
見えるのだけれど
ほんとはあばらが浮いているくらい痩せている
何日も食うや食わずなのに
全力疾走して獲物をねらうチータ
必死さが美しい
人間も結局動物なんだから牛丼が食べられなくても文句は言えないね
ここはいっぱつ世間のおとうさんは牛丼復活まで昼飯をぬいて
野生を取り戻すか!(無理?)

2月14日

今年は
花粉の量が少ないせいか
僕はまだ発症せずにすんでいるのですが
聞くところによると
カルピス インターバランスLー92というのが花粉症にいいという噂です
今朝飲んだのですが
なかなかおいしいヨーグルト飲料でした

水感

2月15日

最近マンション購入の勧誘がすこぶる多い(特に日曜日の午前中)
電話ばかりでなく
訪問勧誘もあるのだ
結構しつこいのでちょっと切れそうになるけど
歳のせいか怒鳴ることもなくなったかな
最近の断り方
「今の僕には愛もお金もありません」
これを言うと
相手はちょっと唖然とします
そのリアクションが楽しい(笑)

空に生き埋め

テレビで
カタールで選手を怒鳴り散らしているトルシエさんを目撃
だきしめたい気分
また日本の監督をやって欲しいなー

2月16日

キングクリムゾンのライブDVDを観る
2003年の日本と2000年のロンドンのライブ
日本よりロンドンのライブの方が出来がいいのが悔しい
なぜなら
日本は広いだけの渋谷厚生年金会館
ロンドンのライブはこぢんまりとしたところでやっているようです
ここが大事
音楽とくにロックはあんまり広い場所でやると
演奏者の出した音が壁に跳ね返ってくるまで時間がかかりすぎて
演奏がたるく聞こえるように感じます
音響効果がいいとされる広い会場より
せまい地下室のライブハウスの方が音はスピードがあるし生々しい
ばかの一つ覚えのような厚生年金会館
学生時代から
おれは100回くらい聞きに行って100回くらい後悔したぜ(うそ)
どうしていつも厚生年金?
きっとプロモーターが音楽を愛していないんだよん

ダンス・インスタレーション

最近朝食は磯辺巻き
焼き餅にいろいろなのりを巻いて試しているのだが
韓国の岩のりがいちばんの好み

過去現在未来というのはリズムに過ぎない

2月17日

自分の居場所がわかってしまう携帯が出るそうな
カップルや夫婦がお互い持つらしいけど
僕は嫌よ(笑)
男と女は秘密があってこそ関係が成り立つわけで
なんでも開けっぴろげにしたら関係はうまくいかないと思うな
(白黒はっきりつけてはいかん。でもゼブラーマンはみたい)
秘密こそ接着剤
そして秘密を持ったのならば
死んでも秘密漏洩を防ぐ覚悟が大事
それは礼儀

月を吐き出す夜もある

2月18日

友人のアコーディオン奏者の
アコは抱きしめるように弾けるから好きというお話を聞いて
抱きしめマニア?の僕としては
絵を描かねばと思ったわけです
アコーディオンは
多分ピアニカあたりから進化したと思います
基本的には吹奏楽器だよね
(手で外付けの肺を動かすような)
じゃばらが動いて
ちょっと大きめの生き物が呼吸をしているような雰囲気が好き

アコーディオンを抱きしめたい
(あんまり抱きしめ感がないな・・もっと大きく描けばよかった)

絵を描きながら観ていると、絵が下手になりそうなオマーン戦(笑)
まあでもワールドカップは勝てばいいのです
つかみ所が無くてどこを観ていいのかわからないジーコサッカーの戦略が
ようやくわかりました
「キーパーを目立たせる」
でしょうか
思惑通りディフェンスは、わざとよれよれ
おかげで楢崎の見せ場がたくさん
すばらしいパフォーマンス
このシステムはトルシエのフラット3をもっと進化させた究極のディフェンスといえましょう
(フラット3もどきどきしたけど、さらに)
7試合連続ノーゴールの記録を更新中らしいです
彼は今本当にいい顔をしている

2月19日

肩胛骨伝導

電気のたましい

久々に餃子を作る
餃子を作るのは大好き
タネを皮でくるみながら
HISの「日本の人」を口ずさむ
演歌歌手の坂本冬美が歌うジミヘンのパープルヘイズは
絶品でしたね

2月20日

春のフライング

今朝ネットで注文したブツが
夜に宅急便で届く
早っ!(いまふうの言い方)
恐るべしアマゾン

2月21日

急ぎの仕事を昼間に終わらせて
夜はゆっくりサッカーと思っていたら
もう終わってました
試合は昼間だったのね

昼間は昨日届いた
映画監督リドリー・スコットの処女作デュエリストのDVDを観ながら
絵を描いておりました
美しい風景が印象的
風景が控えめだけれど雄弁に語る映画というのは
最近では少ないのでは。
シンプルで無駄のない脚本
美しいライティングにカメラワーク
何度観てもあきない
絵が描き終わるまでに3度も観てしまった

脱走常習犯

2月22日

花粉が少ないせいか
毎日カルピスのインターバランスL−92を飲んでいるせいか
2年間続けている整体が体質を変えたのか
何が原因だかわからないけれど
花粉症が発症せず
今年は十数年ぶりに春が楽しめるかも
ちょっと早すぎるけどね
(今日は半袖で過ごせるほど暖かかった)

並列接続するたましい
あなたのたましいが切れていたら他の人に電気が流れません

2月23日

ネコネコアザラク ネコネコザメラク・・
動物魔術師(笑)

2月24日

命がけっていうのが好きです
ワールドカップも命がけ
すばらしいパフォーマンスをしている人は皆命がけ
命がけだから面白い
日々命がけ
どんな些細なことでも命をかければ面白くなる
命がけは最高の娯楽

2月25日

光と闇の境界線を眺める

2月26日

銀座へ
弟の個展に行く
母親と叔父夫婦と会場で待ち合わせ
お昼はみんなで中華
午後は友人のグループ展
友人のグループ展では
不思議な模様が描かれている笛を展示している作家の方に笛を教わる
眺めて美しく音楽も奏でるオブジェ
その後
喫茶店で
友人とジーコの悪口(笑)
(最近男の友人と話をするとこの話ばかり)

2月27日

教祖の死刑判決
宗教とは
自分の中にある孤独と寂しさに対して
勇気を持って立ち向かうか
または
その孤独を誰かが少し埋めてくれたのならば
その行為に感謝する
そういう姿勢なのだと思います
孤独と寂しさを
憎悪へと変貌させ、世界を変えようと事件を起こすことは
宗教的行為ではありません
図らずも
宗教家ではない
事件に携わった人たち、被害者、遺族の方々
10年前
苦渋に満ちた表情をしていた人たちが
孤独、寂しさ、悲しみや憎悪を抱えつつも
それをなんとか乗り越えて生き延びてきたという
ある種のりりしさを携えて
ブラウン管(液晶?)に帰ってきたことに
驚きと畏敬の念を感じます

2月28日

足の指が全部分かれている靴下を頂く
靴下は常に不足しているのです
洗濯をすると必ず片一方が無くなるのです
溶けてしまうのでしょうね

2月29日

音楽に鍛えられた身体


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