かものはし日記2001年9月号


9月1日

近所の神社でお祭り
お祭りとなると
決まって強面のおじさん達がいっぱいいるんだけれど
いったいどっからわいてくるんだろうか(笑)
普段は見かけないのに

この地球のすべてのものには骨がある
その骨は水でできている
というコンセプトで
宮沢賢治の絵本を描くんだ!と思いつく(笑)
(もう描き始めているのに・・)
骨というのは
地球の固有振動数

9月2日

今日もお祭り
出店でお好み焼きを買う
家に持ち帰って食べたらまずかった
やはりその場で雰囲気と一緒に食べないといかんね

どうやら風邪をひいたらしいが
ハイアップのおかげで復帰

9月3日

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よろしければ是非

9月4日

東京はすっかり秋
冷たい雨
仕事の作業着も長袖、長ズボン
湯豆腐

9月5日

ほんとに秋
高い雲
日差しはやや強いけれど優しく冷たい風
今日は自転車でぐるりと町中を
中古CD屋めぐり
夕食はゴーヤチャンプルー

まだまだ始まったばかりの原体剣舞連の作画
いつものことだけれど
目先の絵を描きながら
次は何を描こうかな、と先のことを思ってしまう
決して
目先の絵に集中していないわけではなくて
絵を描いているときは
実は
左脳が暇なのだ

ついつい、先のことを考えてしまう
次は何を描こうって考えているときの左脳は実に幸せそうだ
と右脳はそう思いながら
一生懸命
指先に指示を与えているのだね

左手小指をざっくり切る
下ろし金についている野菜をスライスするカッターで
切ってしまった

9月14日

テロとか
仕事とか
しめきりとか
眼精疲労とか
いろいろな想いが交錯しながら
銀座へ
展覧会の打ち上げパーティ
僕のまわりには優しい人たちがたくさんいるなあ
と感謝
金曜日の夜の満員電車で妻の気配
そしてほぼ同時に帰宅
どうやら同じ電車の前と後ろに乗っていたらしい
毎日こんな電車に乗って帰ってくるのね
ごくろうさま
満員電車の中では
女性は胸をガードするために腕を組み
同様に男性は痴漢にまちがわれないように腕を組む
おたがいの肘があたって
結構痛い(ぎゅう・・って感じ)
僕は万歳状態(笑)

9月15日

最近は
ウエイン・ホーヴィッツ(ピアノ・シンセ)がとてもお気に入り
ニューヨークダウンタウンのベテランインプロヴィザーの
チェンバーミュージック(室内楽)
美しく優しいアバンギャルドジャズ
おすすめです
from a window/wayin horvitz
(AVAN080 280O円 日本盤)

9月20日

まさか
世界がまさに戦争状態になるかならないかという状況下で
宮沢賢治の「原体剣舞連」の絵本を描くとは
思ってもみませんでした
テレビや新聞を見ている限り
世界中のすべての人が被害者面をしている
ということを感じました
どんなひどいことを他者からされてしまっても
完全な被害者にはなれないと思うのです
(子供達は別)
自分の内面や外側に
何かに対する憎悪と無関心がある限り
被害者だけではなく
加害者でもあるはずなのです
「なんの罪もない人たちが・・」というフレーズが
どうしても受け入れられない
この世界に生きている限り
ただ普通に暮らしているだけでも
無関心がはびこり
憎悪が生まれてくるのです
正義を行使するのではなく
無関心と憎悪の絶望的な螺旋構造を
断ち切る勇気がほしい
(正義を行使するのに勇気なんていらないもん
ただヒロイズムに陶酔しているだけじゃん)
戦うべきは
自分の中の自己憐憫(被害者意識)のみ!
というのは
ヤキ・インディアンのシャーマンの言葉
個人が平和でないのなら
世界が平和であることなんかありえない
って
宮沢賢治は言っていたよね(自信なし)
そしてもっと時間を
イスラム世界に対する報道が少なすぎる
もっと彼らの精神的な背景(政治的にも宗教的にも市井の人たちの感情を)
が知りたい
アメリカという国は
国という形態をとっているけれど
いい意味でも悪い意味でも
実は「アメリカ」というブランド
「自由」というコンセプトを掲げたブランドだと思う
アメリカの自由が脅かされたと言うけれど
「自由」は守るものじゃなくて
わかりあうものなんじゃないの

日本の貢献について
在日イスラム社会の人たちは
日本に中立な立場で
アメリカとイスラムをつなぐ架け橋になって欲しいと
望んでいるようだ
日本人や日本文化の特性からすれば
「つなぎ」というのは
日本人がもっとも得意とする分野
どんなことが可能なのか
せっかくネットがあるのだから
国家でアイデアを募集すればいいのに

絵本の途中経過を見せに
銀座の編集部へ
とりあえずこの路線でオッケーをいただく
透明感と生々しさ
重量感と軽やかさ
(絵柄のことね)
これらの対立するものを同居させるための
和太鼓のリズム
(ストーリー展開)
これがうまくいけば
この仕事は成功です
と力説してきました(笑)

9月21日

訳あって箱根の強羅温泉へ
日帰り湯を3軒はしごする
どっと疲れる(笑)
最後に行った温泉テーマパークともいうべき
ユネッサンは
なかなか楽しかったけどね
ICカードが内蔵された腕輪を渡されて
ジュースでもなんでもキャッシュレスで買えるところがおもしろい
あとで腕輪を機械に入れて精算

9月22日

NHKスペシャル
携帯電話やパソコンに使われる小型コンデンサの材料である
希少金属タンタルが
アフリカのコンゴ内戦の火種になっているというドキュメント
身近なもの、あらゆるものは
血まみれだ

9月24日

ここ数日
絵の神様が降りてくれなくて
失敗の連続でした
とほほ
やはり温泉には行くべきでなかった
方位が悪かったんだな(笑)

最近はジャズピアニストの藤井郷子(さとこ)さんがお気に入り
沖至(トランペット)のカルテットで
がんがんピアノを弾いているところのに惚れ込み
彼女のリーダーアルバム「JUNCTION」(EWECD-0034)を聞く
ピアノという楽器は完成され過ぎていて
ジャズを演奏する楽器としては
面白みがなくて
若干不利なのだけれど
彼女のピアノはドラムだよ
ベースとドラムのリズムセクションに絡む絡む
野生のオオカミのような
シートン動物記のオオカミ王ロボの美しい奥さん(銀色の毛並み)
ブランカのような
そんなピアノ

9月25日

わさび漬けとジャズは似ている
というのは
僕がわさび漬けがおいしいと思ったのと
ジャズを聴き始めたのが
ちょうど同じ頃(笑)
20代の後半
いいわさび漬けは
冷凍庫に入れても凍らない
ふたの部分をしたにして
冷凍庫に入れておけば
ずーっと鮮度が落ちないそうです

9月26日

映画「サトラレ」のビデオを観ながら仕事
泣きながら絵を描く
ギャグみたいな設定で
泣かせるところが素敵
おばあちゃん役の八千草薫がいい
もう一回観ちゃおうかな

9月27日

サトラレをもう一度観て
もう一度泣いてしまう



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